受験体験記

理三本での真意 -天才とはなんぴとたりや-

ryu.です。
そろそろ母校でのオープンスクールのために何を喋るか考えている頃です。
今回は先日発売された理三本に関して自分も載せてもらったのですが、このブログにおいても少し紹介させてください。「真の勝者は多くを語らない」とは言いますが、私は言っても小物なのでそんなの関係ありません。大人気なくどんどん喧伝していきます。このページでは理三本に書いていただいた内容の補足やそれに載らなかった部分など、本編にない部分がメインです。
また、自分以外にも理三に同期として入っている多くの人たちの言葉が寄せられていますので、彼らの今までやこれからの展望についても非常にためになると思いますので、ぜひ買っていただいて参考に、ないし指標としてみてください。常人を逸脱したエピソードやその人ならではの境遇など、様々な発見につながることでしょう。私自身も(自分のところ以外は)楽しく読まさせていただきました。

母校創設以来、初の東大合格

以前から私をご存知である方は知っている事実だと思いますが、私は出身である富士学苑高等学校の創設以来50数年の歴史の中で初めての東大合格者ということになりました。当時の私は自分自身の夢を実現することができた上に学校の先生も胴上げしてくださるほど喜んでくださったので、かなりの充実感と高揚感でいっぱいでした。とは言え初の合格だからと言って特に何か特別なわけでもありませんし、母校には柔道世界大会連覇者(これに関してはいい意味で意味不明)や女子バスケ全国大会常連生、ディズニーをはじめ全国で活躍するジャズ部生など才気や精彩に溢れている人はごまんといます。そんな様々な才能や素質、価値観を備えた人たちに囲まれた環境の中で影響を受けながら勉学に勤しむことで得られたことは当然沢山ありますし、仏教学校である母校が謳っている人間形成の指導などもその大きな要素の一つです。
とは言っても基本的には高校に通ってからは勉強漬けの毎日でした。これに関しては中学校でこうした高校の進路を想定していた以上、他のことについては仕方なかったですね。自分自身、勉強自体は自発的に取り組むだけの無意識は形成されていましたので、それまで部活漬けだった日常から勉強漬けへシフトすることはそこまで苦ではありませんでした。

守るべき「自分のペース」とは

そして自分が受験に挑戦する中で一番大事にしていたのが、「自分は自分のペースでいいんだ」という気持ちです。もちろん、その自信にはなんの根拠もありませんしただの自己暗示でしかありません。しかし、周囲に自分と同じ目標を持った仲間や過去の先例に触れることができないという環境であった以上、その無謀な自信に縋っていくことしか選択肢は無かったのです。高校範囲の勉強に関しても中学校の段階から始めておく必要は絶対にあるとは言えませんし、自分自身も中学時に高校範囲までかじっていたのは数学だけでしたからね。物理に関してはそもそも基礎分野の履修が高2の最初からでした。プラシーボ効果のようなもので、自分ができると思えずにいたら実現可能なものも実現することができなくなってしまうと思うのです。結局はその必要になる閾値さえ到達できるのならどのような経路を辿っても関係ないと考えているからです。ちなみに今「ヘスの法則」という単語を思いついた人はおそらく総じて相当気持ち悪いです。
そして、その自信に少しでも根拠を持たせるためになるだけ早め早めを意識した勉強を、というのはよく心がけていました。中学校を卒業する段階ですでに大学入試までの時期やするべきことを熱心に調べ上げて逆算し、さらに目標通りにはとても行かないことを考慮して早め早めに勉強の計画を詰めていくと言った感じです。それまでの経験などで「人間は普通計画を立てた時の」具体的に例を出しておくと、理科に関しては高1冬から初めてあらかた高2の終わりまでに固めておくべき基礎は仕上げておく、のような(なお、現実では高3の春半ばまで基礎固めはかかってしまう上に始めたのも高2に入ってから)。意識として高1、2のうちに基礎的なことをしっかり仕上げつつ高3の頃は発展演習に専念する、がメインでかつ英語数学については短期間での伸びを見せるのが難しいだろうと(調べていたことからも)予測して早めの伸ばせるうちに伸ばそう、といった感じです。中学校の頃から「将来を決める要因は思ったよりも早くの段階から存在していて、実は今もその道程にいるのかもしれない」ということに感づいていた(とても気持ち悪いが、これは大事だと思うのでたびたび然るべき時には後輩には説いている)ので、その意識のおかげなのかもしれませんね。
余談ですが、本当に小さい幼稚園生くらいの頃は自分はパイロットになりたいと思っていました。視力の関係で小学校1年生のあたりで断念せざるを得なくなったのですがね…笑(これについては理三本の最後の方に小さく書いてあったと思います)

心の拠り所

受験までに勉強を続けていくためにはそれなりにメンタルの管理を徹底しなければなりません。というのも皆さんの中には経験がある人も多いと思いますが、実力が上手いように伸びないだとか周りとの相対的な差にじわじわ追い詰められていくだとか、そもそも受験に対して漠然と悩みを抱えているだとか様々な要因が受験の挫折を誘う要因として介在するからです。かくいう自分も諦めそうになったことや気に病みすぎて身体の方まで壊してしまったことも何度もあります。
その中で自分のモチベーションを保ってくれる存在というのは間違いなく必要で、その形態は人によって様々でしょう。親しい人の温もりや好敵手との競争心、先達への憧れや周りからの信頼や期待など、「他人」との相互関係というのは人間の行動の原動力として大きな力を持っています。自分をここまで支えてくれた家族や恩師や友達などの存在、そして目には見えないけれど闘争心を燃やす相手など、様々な人があなたの努力に関わってくれています。そうした関係はぜひ大切にし、有効に活用してください。勉強のみに言えた話ではないのでこうした経験をした方も多いはずです。ただこれに関して注意しておくと、あまりそうした他人の期待や信頼、関係等を大事にしすぎるといざというときにそれに対する裏切りへの恐怖心が襲ってくることがある人も中にはいると思いますので、その点には注意です。自分も一度模試か何かで全然結果を残せなかった時に、走馬灯のように(自分の脳内に)流れる周囲の失望を浮かべる表情と痛切な同情の嵐に耐えきれなくなったこともあります…。

ぶっちゃけると…

最後に書きたいこととして、理三本の最後の方に当時の試験の様子などが簡潔に書かれていたと思いますが、正直に言って辛かったのは「試験が終わった後から」です。特に自分のように試験で思う通りに行かなかった人にとってはより一層そうした傾向にあることでしょう。ひょっとしたら落ちたかもしれないという恐怖感の中、周りはどんどん合格発表を終えていくという環境で平常心を保てるわけがありません。そんな状況の中で、受かった人の喜びや達成感と不合格だった人の絶望に塗れて生気の抜けたような表情を、死刑宣告の順番待ちのような面持ちで経験していかなければならないのです。特に最後の3日間などは、私は何をするにも手につかないほどプラスの感情を忘却してしまっていました。
そして自分に「合格」という証明書が与えられたのち、学校やその他各方面に連絡をとっている時に一番来てほしくない一報を耳にしてしまいました。共にここまで戦ってきた、特に親密だった友人が前期試験に失敗してしまった、と。直後その友人から「合格おめでとう」という電話がかかってきました。複雑な感情が込み上げてくる中で何を言って返したのかは覚えていませんが、間違いないのは自分は必死に涙を堪えていたということでした。彼が人より何倍も禁欲的に努力してきたのを私は3年間直に触れてきましたし、その事実に間違いはありません。残念ながら、ここまでどれだけ頑張ってきても届かないことさえあるのです。ここでその後結果的に一人、いや独りで後期受験を強いられることになった彼がその電話口の向こうで何を思っていたのか、私には想像もできません。彼を拒んだのは、たった5点の障壁でした。
彼の他にも、1点足らずや0.1点足らずで終わったという人にも会ったことがあります。

有頂天で湧き起こる歓声と通夜の如き悲壮の咽びとの共存は、心まで劈く不協和音と化します。
高揚感と悲壮感、そして精神的疲労感にも押し潰された日でした。
誇張など一切無く、今生二度とこの地獄を経験したくはありません。

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