消えた罅と残った傷

ぼやき

ryu.です。
今期に起こった一番のトラウマエピソードを少し。

Twitterなどから私を知った方はご存知のことかと思いますが、私は現在お付き合いしている恋人と一緒に過ごし始めてから一年飛んで四半年を迎えました。これはつい3ヶ月前、すなわち一周年記念を二人で考えていた頃の話です。
半年前には同じように付き合い始めて半年の記念としてお揃いの指輪を購入していたので今回も何か買おうという運びになり、1週間ほど話し合った結果今度はお揃いの腕時計を買おうということになりました。

そして来たる購入当日、五月祭を二人で散策した帰りに池袋のビルのとある店舗にてまあ長いこと二人でどれにするか相談していました。いや、どれにするか決めかねていたというよりは、純粋にお洒落な時計が並んでいるのを眺めているだけで楽しかったという方が近い気がします。
指輪の時もそうでしたが、我々二人とも「それ」自体より「それ」がお揃いであるという属性の方が輝いて感じられたのだと思います。
結局二人の好みに合わせて青が基調のシックな時計を購入することに決めて一度家路に着き、夕飯を食べて無事解散となる予定でした。

ところが事件は起こります。
夕飯の後、私は帰宅途中で電車の乗り換えをしていました。改札前でリュックサックを背負い直そうとした時です。

不意に手首が軽くなるのを感じた後、足元から一つの鈍い金属音がじわりと空気中を伝いました。

恐らくベルトの装着が甘く、背負う部分が装着部に擦れた時に弾みで取れてしまったのでしょう。文字盤を床に叩きつけられた時計を拾ってみると明瞭に一筋のヒビがその中心に刻まれていました。

あまりの突然の出来事に数秒何もできなかった私は電車だけは逃してなるまいと改札へ急いだものの、心の焦燥感は徐々に膨らむ他ありませんでした。冷や汗を滴らせるにつれ、まるで自らの顔すらも青ざめていくようでした。恋人との記念品を大事にできなかったこと、ましてや買ったその日に亀裂を入れてしまったことに対する絶望感と強い悔悟の念を抱き、私の心にも大きく深い傷が残ってしまいました。

茫然自失という表現が私の人生の中で一番ふさわしい瞬間だったと思います。
どんな簡単な思考すら身として持たない、そんな抜け殻の状態のまま家に到着するのでした。

その後、気持ちが少し落ち着いてから(見出しは急だけど)恋人には事の顛末を説明しました。隣にいる価値すら最早、と思いましたが早く修理が終わると良いななど私をとことん慰めてくれてもう感謝の気持ちしかありません。良い人に恵まれて良かった。
とはいえ壊れてしまったのは事実で、その後これによるショックに軽い親子喧嘩のダブルパンチが加わったため一週間くらいは相当滅入っていましたね。

2日後くらいに買った時計屋へ修理を依頼しに運んだのですが、購入したてだとすぐ分かる壊れた時計を見せるのはたいへん心苦しいものでした。しかもどうやらそのブランドの新作ということで、お店にもこれ以上ない程に申し訳ない気持ちになりましたね…。

ということで、今期の1番のトラウマエピソードでした。やはり大事にしていたものが壊れたり無くなったりするのは嫌ですね…。
失ってから気づく前に大事にしておこうというのは人もモノも変わりませんね。もう懲り懲りです。

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