異体字と氏名手続き

ぼやき

ryu.です。

「渡辺」の「なべ」多すぎだろ事案

先日、ぼけーっとYouTubeで動画を見ていた時、初期のQuizknockの動画で「渡辺」の「辺」の字の異体字がめちゃめちゃ存在することを利用したボードゲームをやっている動画を思い出しました。

当時から彼らの動画を拝見していた私は今の動画感との違いを実感し懐かしく思っていたのですが、同時にこの異体字の多さは何に由来するのか気になったのです。

どうやら調べてみた結果、この「なべ」の字多すぎ問題は

① 苗字表記の際、本家と分家の差別化のため
② 役所への戸籍登録等の際での筆談記入のズレや誤認の蓄積

のいずれかに起因する、という説が濃厚なようです。恐らく苗字や雑学に詳しい方であればこんな話は耳にタコが出来るくらい聞いたことでしょう。
話はここからです。周囲でよく見る「邉」と「邊」以外はどこかで統一させろよという気はしますが、以前の私の体験を考えるにどうやら今の市役所や公的文書においても徒に異体字を統一させるいう方針は取っていないようです

市役所からの一本の電話

②の理由を知った時、私にも思い当たる節がありました。それはマイナンバー登録の際の署名に関してです。
受験が終わって間もないころ。当時18歳だった私の元に市役所から一本電話が入りました。市役所の電話担当の方が仰るに

「登録の際にご署名いただいた字体とマイナンバーカードに記載される字体が異なる可能性があるので、一度市役所の方まで来てもらいたい」

と訳の分からないような電話をもらったのです(当時の内容もあまりちゃんと覚えていないので今ですら意味を汲み取れているか分からない)。
私の本名には「」という漢字が含まれているのですが、どうやらこの字の特定の画の向きがどうたらこうたらとか言っていたような気がします。もちろん20年間慣れ親しんだ字ですし曲がりなりにも一般常識は備えているつもりですから、「龍」という字の異体字として「竜」が常用漢字に登録されていることは知っています。ですので余計

「龍」ってちゃんと書いたよな…異体字って言っても「竜」と見間違えるとか役所の人間アホなんか??(おもくそ失礼)

としか思わず、なんのこっちゃと思って過ごしていたら結局手続きは問題ないということになって話は済んだのですが、今回「龍」という字についてもリサーチを入れてみたところ、2年越しに市役所が当時言っていた意味がわかりました。

身近に潜んでいた微妙な異体字

画像左は私のよく書く「龍」の字なのですが、本来の人名用漢字として昭和26年に『人名漢字に関する建議』という文書内に記載されていた該当の漢字(右)と1画目の向きが違っていました
そういえば一画目の向きが縦か横かでどうこうって言ってた気がするわ。ごめん役所の人。

なんてことだ。
この漢字を使ってきて20年、このタイミングでこの事実を初めて知りました。

現に私のマイナンバーカードに記されている「龍」という字の1画目は上の画像右側のように横棒になっています。しかし、市役所側が当時指摘していたように、1画目が縦棒になっている「龍」の旧字体も存在するようです(右図)。というかこっちが普通だと思っていた

正直この記事を書こうと思ってマイナンバーカードを見返したときに驚愕の声が漏れましたね。
まあ、書き方を矯正するつもりはありませんけど。

自分の字について調べてみたら意外と新たな発見が得られるかもしれません、というそんな話でした。

補足

追記
Twitterの方でも散々情報開示しているので、今更本名晒しがどうとかいうのは気にしてません。むしろさっき確認したら学科同期に「龍」の字を使ってる人が私以外に2人もいたので、「俺が情報開示してる分そっちに迷惑かからなくて良かったわあぶねー」とか思ってます。

参考資料
文化庁 昭和26年5月14日 人名漢字に関する建議
第2回「竜」と「龍」
第148回 「渡辺」「渡邊」「渡邉」以外のワタナベさんたち

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