以前、適当に問題を作って高校の担任にそれを共有したものがあるので、せっかくですからそれをこちらの方でも供養させてください。
厳密性についてはかなり怪しいところこそあるでしょうが、そこに関しては目を瞑ってくれると嬉しいです。
第一問
ある関数\(f(x)\)は微分可能な関数であり、導関数\(f'(x)\)は連続であるとする。
このとき、\(f(x)\)が逆関数をもたないならば\(f'(x)=0\)となるような\(x\)が必ず存在することを示せ。なお、関数\(f(x)\)の定義域と値域はその関数に応じて定義域内で\(x\)と値域内の\(y\)について\(y=f(x)\)が定まるよう適切に与えられると考えてよい。(注釈)
高校数学においては「全射」という言葉を用いないのでこのような微妙な文言になってしまいましたが、「なお、」以降の注意書きでは全射性は保証されているものとして良いということを書いているつもりです。
第二問
ある旅人が総計\(N(N\ge2)\)個の街を一年ごとに一つずつ移動しながら、放浪することを考える。
はじめランダムに一つの街を選んで一年そこで定住し、その後一年ごとに今自分が居住地を置いている街を含めて全ての街から同様に確からしく\(\displaystyle\frac{1}{N}\)の確率で一つの街を選び、翌年はそこで過ごすことにする。なお、この旅人が全ての街を渡り終えたときに、翌年はいずれの街にも居座らず元の家に戻るものとする。このとき、\(T\)年めに既に廻った街が\(k\)個である確率を\(P_k(T)\)と表すことにする。なお、一番初めは0年目として、$$P_k(0)=\begin{cases}1 & (k=1) \\ 0 & (2\le k\le N)\end{cases}$$
と考えるものとする。以上を踏まえ、以下の問いに答えよ。
1. \(P_k(T)\)の\(T\)についての漸化式を、適切な場合分けと条件づけを施してすべて記せ。
2. \(P_2(T)\)を\(N, T\)を用いて表せ。
2. \(N=3\)とする。何年目に3つ目の街に到着することができるかの期待値を求めよ。この場合の期待値は、「かかった年数(すなわち\(T\))\(\times P_3(T)\)」の総和で表されるので、
$$\sum_{T=1}^{\infty} T P_3(T)$$
を求めればよいことになる。(注釈)
正直これ何回も計算したけど複雑すぎて自分でもちゃんと答え出てるのか分からない…。ちなみに題材としては競技プログラミングの第194回AtCoder Beginners ContestのD問題「Journey」で、それのオマージュとして人力で計算可能な問題に改変しました。
第三問
\(x,y\)を整数とする。\(y^2-y=x^3\)を満たす整数\((x,y)\)の組を全て求めよ。
(注釈)
整数論の参考書に載っていた問題から多少弄ったやつ。結構良問なのでは?
第四問
\(\alpha>1\)とする。関数\(f(x)\)を区間\(0\le x \le 1\)で定義する。
$$f(x) = \left\{\begin{array}{ll} 0 &(x=0) \\ x^\alpha (1-\alpha\log x) &(0<x\le 1)\end{array} \right.$$
これについて以下の問に答えよ。なお、定義域内で\(f(x)\)は微分可能であるとしてよい。1. \(f(x)\)が\(0 < x < 1\)で単調増加することを示せ。
2. \(\displaystyle\alpha=\frac{4}{3},~n\ge0\)とする。数列\(\{a_n\}\)を漸化式\(\displaystyle a_0=\frac{1}{\sqrt{e}},~a_{n+1}=f(a_n)\)によって定義する。\(\displaystyle\lim_{n\to\infty}a_n=1\)を示せ。
(注釈)
この問題が一番微妙です。この\(f(x)\)を思いついたのですが、求積にしたほうがより良い問題になった気がするなあと思って若干心残りを感じています。
ちなみに、関数の形としてはこのようになります(外部サイトGeoGebraへ移動)。スライダーを動かせば\(\alpha\)の値に応じた形を見れますし、編集すれば問題になっている\(\displaystyle\alpha=\frac{4}{3}\)の時も表示することができますよ。
第五問
二次関数\(\displaystyle y=\frac{x^2}{2}\)において、2点A\(\displaystyle\biggl(a,~\frac{a^2}{2}\biggr)\)とB\(\displaystyle\biggl(a,~\frac{a^2}{2}\biggr)\)をそれぞれ\(-p \le a < 0 < b \le q\)を満たすようにとる(ただし、\(a,b,p,q\)は実数)。これによる直線ABに対して、その傾きを\(u\)、\(y\)切片を\(v\)と定義する。これについて、以下の問いに答えよ。
1. \(p=q\)とする。点(\(u,~v\))全体の集合が満たす条件を\(q\)を用いて表し、図示せよ。
2. 点(\(u,~v\))全体の集合を図示した領域の面積を\(S(p,q)\)とおく。\(S(p,q)\)を\(p, q\)を用いて求めよ。なお、境界線上を含むかどうかは考慮しなくてよい。(注釈)
正直2.は絶対蛇足だった。領域の問題もっと難しくできたよなあ…。まあ俺の実力的にこれが限界だったけど。
適当な感じで申し訳ないです!!!!!
コメント