数学 図形問題に対して

数学

ryu.です。
今回は図形問題に対していかに当たっていくかについて少し書いていきたいと思います。図形問題は考えられる解法が一つに決まりきらないことや、イメージや問題把握に時間を多く割いてしまう(しかも慣れていないと厳しい)ことから、なかなか苦手とする人も多いと思います。そこで今回は図形問題に対する解法の選択目安や利点などについて書こうと思います。

初等幾何の利用

まずはこちらですが、これにはあまり積極的に頼らなくていいと思います。主に数学的センスに頼った解法がメインになってきますし、これを即座に思いつく人はおそらくそもそも図形問題を苦としていないと思います(笑)。
そもそも、初等幾何とはなんぞや?ということですが、ざっくりと言うと二次元や三次元の図形に対して代数学的な指揮や座標といったものを用いず純粋に一図形として問題を扱っていくものです。もので言えば中学受験の対策をする際などに多く登場するようですし、高校数学においても数学A(今もそうかは微妙だが…)で扱っていくものがそれに当たります。
これをメインに据えて解く問題としては明らかに「チェバ・メネラウスの定理、円周角の定理など」の幾何定理を使用出来そうな場合か、三角比を用いて計算していく問題くらいかなと思います。もちろん例外はあるでしょうが。その他で使用する場合には他の解法が必ず存在することでしょうし、そもそも気付きにくいケースが多いです。
代表的なケースとしては、角度が一定に(等しく)なる時は円周角の定理、辺や線分の比が特定の場所で同じであれば三角形の角の二等分線の利用、などが挙げられると思いますがこの辺りはかなり経験による部分が大きいですね。また、主要な解法までの前段階として用いるケースも多く見られます。とにかく、図形問題に関しては視野を幅広く持っておくことが肝要となります

まずは数値として変数を定めておくと良いか

まあこれはほぼ鉄則みたいなものですが、主に最大・最小などを扱っていく際には非常に有用です。基本的に取るものとしてはその点の位置(座標)、長さ、偏角など様々ですが、申し訳ないことにどれが良いのかは本当に場合によるとしか言えないです…。ただ、その判断基準として以下の取り方を参考にして見てください。
なお、もちろんですが、初等幾何でこうした手段が全く使われないというわけではないです。

座標系の利用

これはかなり有用であり、のちに出てくるベクトルと同じくらい強力です。図形そのものだけでは扱いにくかったものが数式によって整理できますし、戦略の幅が広がることでしょう。座標の上に置くことで、図形のみでは考えることのできなかった傾きなどの量の導入やベクトルでは困難な複雑計算に対してはかなり有効です。そこで注意をあげておくならば、

  • なるべく計算の手間が減るように0が多く登場するような置き方をする
  • 図形の対称性を利用できる場合には対象の軸や点を原点などに設置する
  • 直交している部分があればそこを原点に据えると良い
  • あくまで一般性は失わないように

のあたりでしょうか。基本的にどの項目についても少しでも計算処理の手間を省くためになります。計算と腕力でどうにかすることも最悪可能です。

ベクトルの利用

座標と同じく幅広く親しまれている解法の一つではないでしょうか。座標として表したのちにも内分・外分をなんらかの形で用いる場合比について主に扱う場合などによく用います。また、直交座標系と違って一般性が大きいのも特徴であり、慣れれば非常に強力な武器となることでしょう。
主に利用する場合として、ある一点を始点として次元数に応じてベクトルを設定するケースが多いです。また、共線条件や共平面条件を利用する時は絶対にベクトルですね。問題文中にベクトル表記が入っている場合はもちろん、一見ベクトルを必要としなさそうな求積問題や軌跡・領域系列の問題でも利用可能なのが大きいです。

複素数平面の利用

こちらもベクトルとほぼ同じ感じなのですが、ことこちらはベクトルよりも角度を扱う際や回転運動を扱う際に長けています。また、単純なベクトルとしての表示や絶対値表示など、それなりに複雑な操作も行うことができるので多少の慣れは必要かもしれません。また、長さ同士の関係を二次曲線に変換する(放物線が準線までの距離と焦点からの距離が等しいことを逆に用いるなど/東大で出題歴有)などの手法も多く存在するのも醍醐味の一つと言えるのではないでしょうか。醍醐味になるかは各人の問題ではありますが(笑)。

例題

さて、ここまで淡白な解説になってしまいましたが、結局のところは図形問題に関してはある程度問題を解いていく中で親しんでいくのが良いのではないでしょうか。そこで例題として問題を数問置いておきます。解説に関しては別の記事にまとめて行う予定なので、どの解法を用いるのか考えつつ問題に挑戦してみてください。

問題1

ある鋭角三角形OABがあり、その外側に\(\angle BOC\)と\(\angle DOA\)が直角になるように直角二等辺三角形△OBC、△ODAを作る。このとき、BDとACは長さが等しく直交することを示せ。

問題2

著作権の関係により、問題文を省略しています。(解説編にて解説のみ掲載)

問題3

三角形ABCは半径が\(\displaystyle\frac{1}{2}\)である円に内接しているという条件のもとで、以下の問に答えよ。AB、BC、CAでそれぞれ線分AB、線分BC、線分CAの長さを表す。
(1) \(\angle A=\alpha, \angle B=\beta, \angle C=\gamma\)とおくとき、AB、BC、CAを\(\alpha, \beta, \gamma\)を用いて表せ。
(2) \({AB}^2 + {BC}^2 + {CA}^2\)の最大値を求めよ。
(3) \(AB \times BC \times CA\)の最大値を求めよ。

問題4

正三角形ABCの辺AB上に点\(P_1,P_2\)が、辺BC上に\(Q_1,Q_2\)が、辺CA上に\(R_1,R_2\)があり、どの点も頂点に一致していないとする。このとき三角形\(P_1 Q_1 R_1\)と三角形\(P_2 Q_2 R_2\)の重心が一致すれば、<\(P_1 P_2 = Q_1 Q_2 = R_1 R_2\)が成立することを示せ。

問題5

 一辺の長さ4の正方形の中に半径1の円が2つ含まれている。この二つの円が互いに重ならず(接しても良い)正方形の内部を自由に動くとき、それら2円の中心の存在範囲を図示し、その面積を求めよ。

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