質問箱 詳解 Pt.1

受験全般・メンタル面

ryu.です。
今回から質問箱で扱われた題材でちょっと個人的にピックアップしておきたいなと思ったものについて紹介します。個人的に伝えておきたいなと思った内容や需要が高そうな話題について拾って細かく改めて回答しようと思いますので、ぜひ部分的にでも構わないので参考にできる部分は参考にしてみてください。
なお、私自身質問箱自体にはフランクな姿勢で回答を毎度しているので口調の汚いものが多いですが、そこについてはご了承ください。

目次/CONTENTS
  1. 参考書と到達度
  2. リスニング対策
  3. ハイ完が異常に難しい件
  4. 塾と参考書
  5. 学校の授業と内職

1.参考書と到達度

Question
ハイ完の到達度ってどのくらいですか?ハイ完だけでも東大数学60ぐらいいけますか?(2020/02/03)

Answer
いやどうだろ
年によっちゃキツいがちゃんとやってれば二完+αとかなら行けると思うよ(50〜70,75くらいは)
現に俺も高二の頃65とかはとってた気がするし
まあただ東大は東大の癖みたいなのあるしそういう意味だと赤本とかやってないと厳しいかなぁ

最初は比較的多く見られるこれです。この質問に限らず、「この参考書をやっていればどのくらいまでいけるか」という話は結構聞かれる印象にあります。この手の話は個人的には上のレベルに行けば行くほど使う人の使い方に依存してくる部分が大きいので、一概にどうとは言えなくて困ってしまうんですよね…。まずここで一度啓発しておきたいのは、

参考書で実力を測るには情報量が不十分すぎる

ということです。測れないとは言いません。だから「いやどうだろ」「とかならいけると思うよ」など言葉を濁す言葉を使っているわけですね。

そもそも参考書というのは多くは直接的には「実力を上げるために必要な情報」というよりは「そのレベル相応の知識」が問題演習とともに記された書物ですから、これを一通り仕上げてもどのレベルまで到達できるのかというのはその人次第というのは正直否めません。その参考書を一通り押さえた段階でその掲載されている知識をきちんと押さえられているかですら差が生じるのが事実なのに、それに地頭的な思考力等の知恵の要素が絡んでくるとなるとそれ以上に個人の取り組み方に依存するわけです。
正直その取り組み方については何が正解なのかは自分にもわかりませんし、知恵はどこで身につけるのかもその人次第で様々でしょう。幼少期から名門校でその地力を備えている人もいれば、生まれながらの環境的要素が影響する人もいますし、はたまた受験期にものすごく頑張って追求して習得する人もいます。受験勉強をするにあたって思ったより伸びが停滞してしまうというのを経験する人が多いでしょうが、こうした時には一度自分の勉強に対する姿勢も見直してみるのもありかもしれませんね。ただ回数をこなす、ただ知識の穴をなくすだけでは到達出来るレベルに限界があります

ちなみにちょっと付加して書いた大学ごとの傾向の件ですが、数学では比較的顕現しにくいですが英語や理科等ではその大学の色が強いのでそれに応じた対策も必要になってくることでしょう。そうではなかったら過去問とかやらないでひたすら直前期も地力向上に努めるのが条理でしょうし、模試で点数を取れる人が無対策でも定期試験で点数を取れないのがおかしな話になってしまいます。それ試験にはその試験の色が出るので、大学の過去問等まとまったセットとしての問題にはそうしたギアチェンが必要であるということはこれ以降銘記しておいた方がいいかなと思います。ちなみにもちろんですが、普段重視するべきはギアチェンよりもそのギアやエンジンの素力を上げることです。

Question
センター英語150から理三レベルまで行くの凄いですね
伸びたコツなどありますか? (2020/03/05)

Answer
どうすれば伸びるか考えた上で継続してやる
俺がそれ出来たかは分からんがそれやれば上がるのは確かだと思う

参考がてら、当時の質問箱でもう一つ関連したやつだけ最後に載せておきます。ここで答えた内容については、今聞かれたとしても間違いなく同じように答えていたと思います。これが洞察。

2. リスニング対策

Question
リスニングどうしても出来ないんですけどどんな対策してますか?あとラジオ英会話聞いてますか!? (2020/03/06)

Answer
俺も無理
これに関しては悪いこと言わないからマジで他の人に聞いてくれ、頼む…

この時は東大二次試験のリスニングがエグいくらい調子悪かったので萎えておりこんな回答になっていますが、ブログの方ではきちんとまとめてなかったのでせっかくの機会にここで答えておこうと思います。

まず大前提として、リスニングは英語を聞き取る力だけがものを言う世界線ではありません。それ以外にも速読力、緩急、語彙力などさまざまな素力が必要になってきます。

特にこの中でも速読力に関しては、問題文の情報を素早く分析するだけでなく聞き取った英語をいかに早く脳内で処理できるかという問題にも関わってきます。次々と飛び込んでくる情報を捉えて意味を掴むには、一つ一つ英単語をとっ捕まえていてはお話になりません。英語を素早く処理するという意味ではリスニングの勉強でなくてもできることですし、まずはここに重点をおいてみてもいいかもしれません。読解が速い人、もっと雑に括れば英語が得意な人は英語を英語のまま処理しますし、超基本的な文章をいちいち難文を解釈するのと同じ手順で処理していては明らかに遅いです。別の質問箱でも似たようなことに言及しましたが、英文解釈の勉強をする時の解釈力と長文を読む上でメインに使う解釈力は全くの別物だと思った方がいいです。

これに加えて、リスニングで体力を過剰に使いすぎないという意味でも、内容を重要度に応じて聴きとるという意味でも重要なのが緩急です。もちろん基礎的なリスニング力や発話的な語彙力を上げる意味でもラジオ英会話やCNN10などを利用するのは全然アリだと思いますが、実際に問題を解いている間にこれと同じような聴き方はしないはずです。会話全体の要点を押さえつつ、事前に用意しておいた聞き取るべき要点の会話に移りそうになった時には集中して聞き取る、といった緩急をつけて聞く力も必要になってきます。こうした部分を鍛えるにはやはりリスニングに特化した参考書等で対策をするのが1番ではないかと思います。一応1番おすすめなのは名著『キムタツ』シリーズです。これ以外にもセンターや共通テスト形式の問題集や、英検等のリスニング問題を参照してみるのも一つのてだと思いますよ。

3. ハイ完が異常に難しい件

Question
ハイ完やってみたけどほとんど途中までしか解けない。解答見て理解したら大丈夫?それとも1対1戻る? (誤字修正済:2020/03/07)

Answer
解答の他にアプローチとかフォローアップとかあるでしょ
あの辺めっちゃやり込んでからもっかいやってみな、俺はあの辺こそこの参考書の醍醐味だと思ってるから
基礎的な解法かなりすっぽ抜けてるとかじゃなければ(途中まで食らいつけるなら大丈夫)一対一まで戻んなくていいと思うよ

こいつ上から目線すぎませんかねえ!?去年の3/7とかまだ合格発表前だろお前!!

…というのはさておいて、これに関してはここで答えた通りです。あの参考書をやっている人が自分の質問箱に投げてくれる人には多いのでわざわざここで一つの枠にしてありますが、ハイ完に収録されている問題は基本的には今までとは違って、解法を暗記してそれを運用するだけでは不十分な問題が多いです。そのため、その前段階までの参考書をかなり仕上げてきていても相当厳しい問題に遭遇することでしょうが、この参考書は解答と一緒に付随しているアプローチ編、フォローアップ編が非常に詳しく解説されているので、そちらを十分にインプットしてから挑むことで解けるように進歩してくると思います。初見の段階で全然できなくてもよほどのことがなければそのまま続けても大丈夫だと思いますよ。もちろんですが、ある程度以上のレベルになってくると「ここに掲載されている問題を解けるようになる」というよりは「難しい問題が出てきたとしても対処できるような素力をつける」ことの方が大事なので、そこも意識してインプットする内容を考えてみるのもありだと思いますよ。

この参考書自体については、以前のブログのページで紹介しておりますのでこのページではそこまで細かくは書きませんが、そちらも参考にしてくださいね。

4. 塾と参考書

Question
塾に行く利点ってどういうところだと思いますか?最近自分で参考書やるのと変わらないような気がしてしまうのですが… (2020/03/14)

Answer
実際に行ってみればわかるけど、塾の先生の考え方は偉大だよ
参考書だと自分が詰め込んだ知識はかなり手探りだし不安定だけどそこに先達の知恵が入るだけでかなり違う
信頼できる恩師は見つけるに越したことはないよ

続いてはこちら。おそらく大学受験の準備段階として、個人的に購入した手元の参考書や教科書等をメインに勉強を進めている人と、著名な大手予備校などの授業をメインに据えて勉強を進めている人と、概ねその2パターンに分かれるのではないかと思います。私自身が前者だったので、それが一見塾に行く必要がないことの証左にはなりそうですが、私はそうは思いません

塾等を利用する大きな利点としては、「目標までの道筋がはっきりしてくる」「修正がきく」ことに1番はあります。
最終的に大学受験自体のゴールは志望校に合格することではありますが、そこまでのノウハウを経験的に多く抱えているのは間違いなく塾・予備校側です。これは合格者数等の実績を見れば一目瞭然ですが。それまでに多数の受験生を見てきているわけですから、よりそれに(言い方は悪いですが)依存することで目標にグッと近づくような授業が展開されますし、その人その人に合ったアドバイス等もしていただけるという点はかなりのアドバンテージになります。逆に一人で頑張ろうとなると、よほど上位の進学校で縦の関係を利用して先輩等からアドバイスをいただける、などでない限りはインターネット等の情報に頼らざるを得ませんから自分にそれが合っているのかもより分からず、加えて教材に対する的確な情報も乏しいです。最終的なゴールが分かっていたとしても方向や道の状況、距離感のいずれか一つを見誤るだけで合格から遠ざかってしまうという状況の中で、塾の存在が偉大であるのは間違いありません。
加えて、具体的な勉強内容においても、特に英語や国語については独りよがりな解法なり読解法になってしまいがちです。自分では客観的に問題の文章を読んでいるつもりでも、実際には個人的な主観によがっていると言ったケースです。しかもそうした場合、これを修正する力が参考書にはほとんどありませんから、ここからひたすら負のスパイラルに陥ってしまうといった可能性も少なからずあるのです。そうした意味でも先達の意見ないしメソッドは必要になってくるものだと、こっちに関しては自分の経験からその通りだと言えます。

それに加えて、信頼できる恩師がいるということはそれだけでも心の励みになりますしね。本当に受験期はありがとうございますI先生とK先生(いずれも通っていた塾のお世話になっていた先生)。

5. 学校の授業と内職

Question
学校の授業の質がとても悪いので内職したいと思っているのですがなんと言ったら認めてもらえるでしょうか。 (2021/02/08)

Answer
別に許可取らんくて良くね
「あなたの授業は私の志望大学への進学には不十分/不必要なので」みたいなこと言うのは流石にないし、暫く注意されても(ああコイツは何言ってもやらねぇヤツだ、良いや)って思われて注意されなくなると思うから大丈夫でしょ

最後に、これは比較的最近に送られてきたものですね。

おそらく進学校などに通っている人の中には、自分の目指しているところと学校で扱われる授業や提出を求められる課題の内容と乖離なりが発生しているという人も少なからずいることでしょう。個人的な意見としても、内職自体はそこまで悪いというか、否定するのはいかがなものかというのが正直な意見です。元よりそれだと需要と供給のレベルが一致していないのですから、納得のいく機会が得られるわけがありません。
ただこの質問箱の返答には書いてありませんが、その需要が妥当なものなのか、そして供給が果たしてそこまでに不当なものなのかはこうした判断をするまでに一度吟味してほしいところではあります。つまり分かり易く噛み砕くと、学校の授業内容を過小評価しすぎていないか、そして自分自身の実力を取り違えていないかということですね。

一つ前の件にも書いた通り、他人から教えられる情報にはその人自身、あるいはこれまでの教育実績などに応じた付加価値を持っているわけであり、参考書等から得られる生の情報より能率的ないし有用であるというケースは実は結構多いと自分は思っています。問題を解く上でのノウハウや重要視して見るべきところなどがその代表例でしょうか。それに加えて、俗に自称進と呼ばれるクラスの高校にありがちな理不尽な量の課題もこれに似たような議題として取り上げられることが多いです。これについても課題の活かし方を考えることでかなり有用な教材として利用することができるとも思いますよ。基礎的な数学の大量の問題に関しては、自分は計算力や精密さの向上や基礎の確認などに利用していましたし。

しかしもちろん、自分自身で考え抜いて得た知識の方がしっかり定着するというのも事実ですから一概にどうとはもちろん言えません。ですから今まで書いたようなことを考えてからそれでも尚自分でやった方が効率いいと考えるのであれば、私自身内職をしていても問題ないものだと考えますね。課題や補修等、成績などに関わるものであれば担任などに一度進言してみる価値が十分にあると思いますが、内職くらいであれば返答にも書いた通りです。

まとめ/POSTSCRIPT

以上、第一回はこんな感じでしたが、一度自分でも改めて回答内容を整理してみることで得られたものは大きかったので、定期的にこうしたページは作っていこうかなと思います。普段は質問箱等で個人的に回答をさせていただくことが多いので、そちらの方もぜひこれからもよろしくお願いいたします。また、要望等あればぜひそちらの方にお願いいたします。

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