ryu.です。
今回は原点に戻って、参考書について個人的な評価をしていきたいと思います。これまでは主に自分が使っていたものを中心にでしたが、ここからは実際にこのタイミングで各々自分の知らない参考書を見ていくのと同時に、これまでに触れられなかった問題集も合わせて紹介していきたいと思います。
また、ここからは自分が接していた時間が以前のものに比べて希薄なので評価の信憑性が多少下がってしまうことや、あくまで一大学生の意見であるということは理解しておいてください。それではいきましょう。
1,英語/英作文基本300選
まずはこちらの英作文の問題集。以前のページで紹介している『英作文のストラテジー』と同じような趣旨の「英借文」をテーマにした問題集であり、基本的な例文がタイトル通り300も用意されています。正直多いような気もしましたが、この中にあるどの英文も非常に英語のライティング技術を養う上では大事なベースになってくると感じました。
英語で文章を書く上ではきちんと文法事項を理解していることももちろん重要なのですが、この参考書はそれに加えて、全体を通して英語に主眼をおいた文章の組み立て方、すなわち言うなれば「和文和訳力」を根幹にしっかりと据えて進めていっています。英語と日本語はその作られた歴史からも文法や構造に差異が大きいので、それなりに言葉や構造を変換させないと上手な役にならないことが多いのです。そこで日本語文を自分なりに英語と親和性が上がるように変換する「和文和訳」の能力も自分のベースとして身につけながら、確固たるライティングスキルを身につけることができることでしょう。
おそらく存在を知っていれば私も受験時にこれを用いていたことでしょう。それくらい良書であると思います。
2,英語/Distinction2000
新時代の英単語帳と銘打たれている、非常に格好良いデザインの単語帳。収録されている単語数も非常に幅広く、テーマごとの分類の仕方や一つ一つの単語に対する情報量もそれなりにカバーされているので単語帳としてはかなり質が高いです。
しかしながら、この業界には受験用に『鉄壁』とかいう単語帳が存在しており、これと比較するとやはり情報の詳しさや派生量にはかなり劣ってしまう印象が否めません。私自身がこの単語帳を見たときはその単語の選別からも、どちらかというと「ビジネス英語用の単語帳」という印象を受けました。そのため、単語帳としては十分申し分ない(ターゲットやDUO、システム英単語などに比べても遜色はまず無い)のですが、(特に最難関大受験生にとっては)受験にダイレクトに適している単語帳『鉄壁』の存在がある以上、使用する層や段階は限られてしまいそうです。もちろん、先に述べた通り、単語帳としては十分素晴らしいですので、推奨はできると思いますよ。
3,英語/構文把握のプラチカ
続いては他の教科でも役立つ参考書となっているプラチカシリーズから1冊。これは英文解釈の鍛錬に特化した参考書です。
英文解釈のものとしてはポレポレと同程度か少し上のレベルのものですが、必要な公文は握力を鍛える上では守備範囲も広いのでポレポレの代わりにこちらを使用するのもありだと思います。ただ、解説に関して他のものと比べてみると、主要な要点以外にその文章においてどう解釈するべきかなど具体的な解説は薄味かなという印象を受けました(あくまで他のポレポレや透視図などと比べてなので、絶対的な質としては十分な気もするが)。難易度はそれなりに高いので、一度基礎的な部分を他で養ってから取り組みましょう。
また、それだけではなくこの参考書の特徴として、英文解釈の参考書には珍しく文章全体の構成について解説した部分やテーマ別長文に特化した部分もあります。特に前半に関してはのちに長文へと繋げていくときに長い文章を素早く内容を理解する上で重要な役を買ってくれることでしょう。
4,数学/合格る計算
今度は数学に移ります。まずは計算力の向上に特化した問題集からです。計算を早く行う、処理の効率を上げるといった目的で行うための問題集で、中学生レベルの計算や式の展開からそれなりに高度な処理方法を身につけることができたりと、処理力に自信を付けたい人向けです。需要がかなり絞られている参考書であり、他のものと並行して行うのも億劫になってしまいやすいと思いますが、共通テストやセンター試験(あくまで過去問にはなるが)を中心に各大学の個別試験でもいかに早く処理ができるかというのは問われてきますから、是非取り組んでおきたい!という人はやって見ても良いかもしれません。
しかし、正直あまりに遅いなどでない限りは普段の問題演習等で意識することで改善できる点だと思いますので、わざわざこの参考書を買ってまでやる必要は必ずしもあるわけでは無いと思いますので、一応買うことを検討している方は一度現物を見てみることをお勧めします。
5,物理/新物理入門
続いては物理の参考書の中でも最高峰とも言える参考書です。正直に言うと受験物理というより大学以降学問として物理を行う上での「入門」という立ち位置になっている参考書になりますので、初心者の方はもちろんそれなりの難関大受験生でさえ必要とはしないことでしょう。余力のある人が学問として物理を知る、あるいは物理を極めにいきたい人はこれをやってみると良いかもしれません。
内容に関してですが、高校の教科書で扱われているのとは違ってベクトルや微積を使って厳密に説明を施しながら諸物理現象を学んでいく感じになります。その中には先の記事で紹介したような難度の高いものもあり、説明も理解には時間を要するものも多いです。また普通習う現象についてもより深く多角的に理解することができるので、極めたいという方にはかなり有用なのではないでしょうか。個人的には熱力学や波の分野にまでこの細かい説明が及んでいることにびっくりしましたし、時間があったら読んでみたかったなと思います。
6,化学/新理系の化学 上・下/新理系の化学問題100選
続いても駿台出版の上級レベル参考書から一つ。こちらは化学に関しての上級者向けの参考書になっており、先の『新物理入門』のように高校の教科書に載っている内容を凌駕した内容も入っているので化学を極めたい人がやるのが良いでしょう。また、内容量も非常に多いです。普通の教科書と違って化学を戦略的に体系づけて理解するために独自の序列づけや分類がされており、さらに計算する上での独自のやり方等も掲載されているので化学を理解しにいく根性と補助があればこれ1冊でかなり詳しい部分まで理解することができるでしょう。ただ、いかんせん難易度が高いので、自分はおそらく現役のときにはやってもオーバーワークだったかなあと思ってしまいます。説明も固いですし、何より大きさと厚み、上下巻分けの存在が気力を削がせてしまっているのも事実ですからね…(笑)。
ちなみに、これとセットになっている問題集に『新理系の化学問題100選』という問題集がありますが、こちらについては最難関受験生は取り組んでおくことをお勧めします。最難関と言われる大学で出るような自分の体系知識から初見の実験や現象を説明ないし理解していく系統の問題に強くなることができますし、必要になってくる解法はその豊富すぎる難問からも十分養うことができます。私も現役のときに取り組みたかったのですが、如何せん時間がなくて…。こちらに関してはかなり解説もしっかりとしていますので、そこまでの発想に関しては自分で適宜考えて補いながら解説で知識や知恵を深めていく、という使い方でやっていくと良いと思います。(正直、これに関してはどの問題集にも言えることだとは思いますが)
7,地理/村瀬のゼロからわかる地理B(村瀬の地理Bをはじめからていねいに)
ラストに社会で使っていた参考書を一つだけ。私はそもそも理系なので社会はセンター試験までですし、地理しか選択していないのであまり社会に関しては取り立てて1つの記事にする必要はないと思ったのでここでの紹介になります。基本的に地理に関してはこの参考書と学校でもらった地図帳と資料集を合わせて理解していき、そのご問題演習に時間を当てていくという感じでやっていました。ちなみに、演習に関してはセンター試験の過去問や各予備校のセンター形式模試の過去問等を学校が提供してくださったので、それを利用していました。
それでは本参考書の紹介をしましょう。なお、私が取り組んでいたときにちょうど新版が出たので多少内容がずれてしまうかもしれませんがご了承ください。
地理を基礎から理解するための参考書であり、一つ一つのワードや地域ごとの特徴なども非常に見やすいビジュアルでまとめられているので分かりやすいです。また、地理に関しては理系科目色が強く、特定の知識が割と根拠だっているのでその理屈が理解や知識の運用の上では重要になってくるのですが、その辺りの理屈いついてもきっちり触れられているので、しっかりと読み込んでいくことで基礎的な実力をつけていくことができると思います。さらに、これと合わせて主要な産業や現象、産物については著名な国とともに地図や表を掲載してくれているので、印象にも残りやすいです。
ただし、センター試験(共通テスト試験)向けということもあって二次以降を取り組んでいく人にとっては礎にして違うものも取り組んでいく必要もありますし、理系の人も社会にそれほど時間を割くことができるのかと言われると微妙ですので、お勧めできるのはそうなのですが検討を要することになるとは思います。
まとめ
それでは、今回の参考書の紹介については以上にしたいと思います。今回は難関大志望生に有用になるであろう参考書が多かった気がしますが、これ以降も要望がありましたらその参考書について少しずつ調べて意見を書いていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。最後にもう一度確認のために言っておきますが、あくまで一大学生の意見であり、かつ自分が取り組んでいた参考書というわけではないので信憑性に関しては若干難ありになってしまうという点に関してはご了承願います。
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