東大の授業 pt.2 理科関連

東大関連

ryu.です。
今回は東大の授業第二弾ということで、理科系統について紹介なりなんなりやっていきたいと思います。数学や初修外国語についても考えましたが、これについては秋学期までやって一通り授業が終わってからがいいかなと思ったので、先にこっちを。春学期に主にとっていた理科系列の必須・総合科目について見ていきます。ちなみに初年次ゼミナールについては別枠で。
紹介の前に全体の軽い説明ですが、東大では東大が要求するレベルを記したページで「理科各類の全学生が物理・化学・生物を必修科目として履修し,文科各類の学生も高度な自然科学の授業科目を履修できるカリキュラムが組まれています」と述べられている通り、高校で履修していた分野に関わらず広く理科的な学習を進めていくことになります。ですので、東大を目指している人は理科に対してあまり局所的な嫌悪感を作らないようにするのも大事かと思います。

化学熱力学

まずは必修枠第1弾、化学熱力学についてです。高校物理の熱力学分野や化学での熱化学の分野を融合し、さらにそれを拡張させていった感じになります。最初のうちは高校分野でなんとかなる部分が多いです(逆に言えば、高校分野をさらう時間もあるため、そこが苦手な人や物理未修の人も安心して受けられると思う)が、次第にエンタルピーやエントロピー、ギブズエネルギーなどについてまで踏み込んでいき、化学反応や平衡状態などについて熱力学の観点からも議論していきます。実数値に基づいた議論だけでなく、抽象的な議論もしていくので扱っていくことは多いです。
教科書については松永義夫氏著の『入門 化学熱力学』を用いていましたが、この参考書には致命的な誤字や解説の薄さ等もあってあまりお勧めできないのが正直なところです。実際に先生もあまり教科書に準拠した授業はしていませんでしたし、書かれていないもの(Maxwellの関係式)を扱うこともありました。当然先生によりけりだとは思いますが。なお、大学の数学を用いる場面も多いので、やろうと思っている人はそちらを習得してからの方がいいと思います。

力学A/B

続いては力学。完全に高校でやった古典力学を発展させた議論を、微分積分などの高度な概念をメインに用いて議論していきます。かなり基礎的な部分に関しても微積が混ざった議論を高校の頃からしている人ばかりではないと思いますので、しっかりと知識を刷新しながら進めていくことが肝心です。なお、高校時に物理を選択していた人は力学Aを、未履修者は力学Bをとりますが、やっていく内容に関してはほぼ一緒だそうです(進行ペースの差はあるので多少範囲に違いはあると思う/話を聞く感じ剛体力学の慣性テンソルあたりの話などがないものと思われる)。
ちなみに個人的には一番ついていくのがしんどかったです。これ物理苦手な人マジで無理だと思う…。
参考書としては自分が受けていたクラスでは先生のスライドがメインだったので、参考書(と言うか演習書)『演習 力学』を用いて毎回の小テストに備えたり理解を助けてもらったりしていました。担当していた先生がこの参考書の著者一覧にあってびっくりしたのは別の話。授業でやった基本的な理解は授業スライドで復習、テスト用などの演習はこちらで、といった感じで用いていました。
最後にマジで関係ない話ですが、筆者はこれを編集している日の夢で力学Aを不可る(単位を落とす)というピンポイントすぎる夢を見ました。授業の手応え的におそらく正夢にはならないでしょうが…。

生命科学Ⅰ

次に生物主体の分野に関して。こちらの授業は理科二類、理科三類のみ必修として扱われている授業であり、1Aセメスター以降も続いていく授業になります。
名前の通り、もちろん生物を発展させていった分野になるのですが、その中には部分的に化学や物理(というか先に述べた化学熱力学など)の分野も必要となってくる(これを書いている1Sまでの授業の中ではあまり登場してきていないものの)ようです。高校で扱うことを純粋に詳細化していった部分や、全く違う(のか自分でもわからないが)バイオテクノロジーなどについても扱っていき、下の基礎化学とは違って結構ガッツリとした理解を要する科目になっているような印象です。授業のペースも大学の講義である以上かなり速いので、ちょっとサボったりすると全くその分野がわからないままにされてしまいます。
なお、教科書としては東京大学出版の『理系総合のための生命科学 第5版』を用いていきます。ですが、教授によっては自分の研究内容や独自のスライドを用いて勧めていく先生もいるので、一概には言えないですね。今年は期末試験がなく完全にレポートのみだったので若干楽でしたが、先輩やいろんなところでも「生命科学がかなりしんどかった」という意見も多く聞くので、来学期は高校で生物をとっていなかった分苦労することになりそうで怖いですね…。

基礎化学

最後に基礎化学という分野について紹介をしていきます。これは1Aセメスター以降の構造化学や物性化学などに向けての架橋として最近?から設立された選択講義になっていて、化学の全体的概要などについてざっくりとさらいながら高校化学から一歩歩合を進めて見てみるという雰囲気です。自分が受けていた授業では前半が理論化学寄り、後半が有機化学寄りの感じになっています。もちろん高校時代ではやらなかった部分も登場してくるわけで、特に有機化合物の共鳴や酸性度等、高校時代に教わった人は教わった、的な分野が人にとっては苦痛に感じるような気がします。
授業の中では先端的な部分にも触れたりと興味深い話も多かったです。特に自分が教わっていた先生は将来的な研究者としてあるべき心の持ち用や学生としてのあり方を説くような話もあり、正直な話かなりためになる、というか聞いていて興味深い内容だったので、先生の言う「この話を聞くために声をかける学生がいる」というのも納得かなと思いました。とは言え、これでも化学の授業のキツさに学生から苦情や阿鼻叫喚の声が上がっているようですが…。
ちなみに参考書としては基本的に先生のスライドですが、東大側は『化学の基礎 77講』という本を勧めていましたが、別に必須ではありません。概要を掴むのがメインのざっくりした雰囲気であることや、テストが(おそらく全クラス共通で)持ち込み可であることから、十分対応可能であると思います。また、この講義に関しては1S限定かつ選択ですので、個人的には受けておくことを推奨します。取る際にはこのタイミングで受けておくのを忘れないように。

まとめ

以上、ここまで東大の理科系の授業について書いていきましたが、具体的な内容について下記だうとキリがないのでこんな感じの紹介にさせていただきました。東大における理科の授業についてはかなり幅も広く内容も濃いので、これからの授業も気を抜かず頑張っていこうと思います…。

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