参考書と軌跡 数学編-pt.1(前半)

数学

ryu.です。先日、初の大学のクラス会に参加してきました。
そして久々の投稿になってしまい申し訳ありません!!!(血の涙を流しながら全力土下座)
今回は参考書の紹介を再度きちんとした形でやってみようと思ったのと、質問箱の方に回答していくうちに少し思うところがあったのでそれについても触れながら紹介し直して行こうかなと思います。

網羅系参考書

まずはここ。俗に言われる青チャートやFocus Goldなどがここに属してます。具体的なそれぞれの参考書についてはこちらの『数学網羅系の使い方』というページで紹介しているのでそちらを参照してください。こうした参考書は

  • 基礎からある程度までの難問対処力を鍛えることができる
  • あらゆるパターンの網羅性が非常に高いので演習量の確保には最適
  • 量の多さから飽きが来る可能性も十分にあり

と言った特徴があります。基本的に網羅系は一般的に敷居の高い参考書と思われがちですが、実際個人的な考えとしては高校数学初学の段階からこうした問題集を用いるので全然構わないと思っています。と言っても主に学校で配られる教科書傍用の問題集(例としてサクシードや4STEPSなど)のレベルもこうした参考書にも内包されていますし、一つの参考書ないという特性からステップアップのレベルがきちんと用意されているからです。

また、難問は難問で初学の段階でなくても難しいものが多いです。特に数学3のものなどを使っていると普通に最難関大学で出題歴のあるような問題がサラッと登場することもあります。まあ数学3に関しては題材がそもそも難易度が高い上に、知識ベースとなる問題がそこそこの割を占めていることから自然とそうなるのは仕方のない話ではあるのですがね…。ただし、ここで注意するべきは、こうした網羅系の参考書は各分野の「基礎」となる様々なパターンに初期の段階で触れておいてベースとなる解法を頭に入れようというスタンスで解くものなので、あくまでこのレベルに登場する問題たちは「基礎」として解法を理解している必要があるということです。そもそも一般に受験界隈で「難問」として取り扱われている問題は、こうした参考書に出てくる「解法がテンプレート」の問題とは違ってパッと「こういう操作をすれば答えにたどり着くことができる」とはわからないような問題が多いですので、こうした問題を最終的に解いて聞くとなると、ここで出てくるようなものたちは題材の難易度差こそあれ必要条件として解法をインプットしていなければならないのです。いわば、最終的に何か複雑な機会を組み立てようと思った際に工具の使い方を習得しようというのがこのステップに相当するわけですね。

よくある質問のコーナー

〇〇なのですが、1日にどのくらいのペースでやっていましたか?/一周するのにどのくらいかかっていましたか?

まずはこちら。網羅系に関していえばこの系統の質問が群を抜いて数が多いです。

私自身はFocus Goldという黒表紙の厨二心くすぐる参考書を使っていましたが、基本的に1日に計10問程度だったと思います。多い日には15や20くらいやる日もあったでしょうか。1日の(自分の)勉強時間5時間程度に比べてかなり数学の比率がそれだと多くなってしまわないかと思う方もいるでしょうが、自分がこの参考書を取り組んでいた高1の頃はまだ英語と数学くらいしか真剣に取り組んでおらず(理科に関しては高校2年から学習を開始、国語はこの二つほど取り組む割合は多くなかった)、このくらい時間を割いて取り組むことは十分に可能でした。

基本的に急いで取り組むべきものでは当然ありませんし、初学ということも考えるとそんなに早いペースで何問も解けるものとは考えにくいです。先ほども述べたように、どんな難易度の問題であれ結局基礎をしっかりと組み立ててきているかどうかが勝敗を分けるという場面も多いわけですから、ここに十分時間を割くというのは至極妥当な判断であるとも言えます。ただ自分の中では、受験科目全体で見たときに基礎となる数学に最初の段階でしっかりと時間を割くことができたからこそのこのペースになっているのだと思います。

例題はほとんど仕上げたのですが、次の参考書に進んでも構わないですか?/下の演習題とか練習題とかって正直解く必要あります?

こちらも非常に多いです。まず率直に自分の意見を申し上げますと、

「なぜ例題しかやらない?参考書側の用意した問題全部になぜ取り組まない?」

というのが本音です。これは以前数学の参考書を紹介した際にも書いた文言ではあるのですが、基本的にこうした問題集は例題として問題を解く中で解法の理解とインプットをし、そして対応する演習題ないし練習題を通じてアウトプットがてらその他注意するべき事項について知識を吸収していくというものだと思っています。そのため、練習題として指定されている問題はもちろん例題をそのまま数値だけ変更したというほど単純すぎるものではないわけで(ただしものによるが大多数はそう)、ぜひやっておくことを自分としては推奨します。ですがなんと言ってもこうした問題集は問題数が多いので機械的に問題を解いているとかなり退屈になってしまいがちですが、そうならないように意識するべき部分は意識してみるといいでしょう。

また、これとは別に各分野の章末に青チャートではEXERCISE、Focus GoldではStepUp、章末問題という各分野のまとめ兼ある程度の難問集の項がありますが、こうした問題はこの参考書の中でも難易度の高い問題であり、次以降のレベルへ滞りなくシフトしていくためにはかなり重要です。結局は全部の問題をやるに越したことはないというのはそうなのですが、もちろん受験のために行う勉強には時間が限られてきますからそれであればそれなりにしっかりと演習量を確保できるような参考書回しをしていくべきでしょう。ここに関してはまた後述させていただきます。

網羅系が仕上がる頃に何をすればいいのか…

おそらく網羅系が仕上がった頃にはほとんどの基礎解法が定着していて、次からは難問に対処するためにどうするべきなのかを養っていきます。

と、その前に演習量がきちっと確保されていない/不安の残る場合や、そもそも網羅系を最初から使っていなかったという人はどうすれば良いかについて書いていきましょう。先に述べた通り、網羅系の参考書を何回か周回したとは言え当然ここで全て完璧にインプットできているわけはないと思いますし、教科書傍用の問題集を解いてから網羅系を取り組むというのはなかなかに労力も手間も必要です。そのため、ちょっと迂回ないし別経路で進んでいくというやり方もあることでしょう。

難問を解いていく前に一度確認してみましょう。

教科書傍用など初学より進んでいる場合

こちらの場合は正直あまり網羅系をここから用いるというのは全面的には勧めにくいです。これの理由としては主に

  • 特に簡単なところなどで難易度の被りが発生してマンネリの弊害を招く→不完全燃焼感を抱く可能性あり
  • だいたい傍用参考書を抜けるタイミング(高二に既に入っている人がほとんどであろう)では基礎としてのあの量を捌き切るには少々時期的にキツい

などが挙げられます。

そうした場合などには別の基礎固め用の参考書を用いると良いでしょう。多少網羅系に比べるとザルの目が粗いものの、傍用のものと合わせてやっているということを考えれば十分な密度の問題に遭遇することができますし、量が絞られているのでマンネリを招きにくく引けを取らない実力まで持っていくことができます。と言っても網羅系の方が解説、というか解法のポイント的な部分にしっかりと言及している問題集が思ったよりも少ないのでそこだけは注意が必要です。網羅系はやはり万人の認める参考書だけあってその辺りが非常にしっかりしています。対して教科書傍用の問題集にはそうした「解説の部分」が重視されているものは残念ながら全くと言ってもいいほどありませんので、こちらを利用していた人はここまでの段階で「解答を当てることに注力し過ぎてそこまでにどうすればいいのか考えるという工程が勉強の中からすっぽ抜けている」という人も少なくないはずですので、心当たりのある人は注意が必要です。意外に比較的勉強のできる人でも陥りやすい罠です。

なお、利用する参考書としては別ページでまた詳しく解説しますが、

の2つあたりが非常におすすめです。他にも『数学 重要問題集』など様々な参考書・問題集ありますが、基本的に自分はこの2つをお勧めします。

網羅系を終えたが多少実力に不安が残る場合

次はこちらですが、基本的にこちらの場合であればよほどでない限りはあまり気にしなくても大丈夫です。ただ、その後に続く参考書としてはやはりここまでに鍛えてきた基礎をベースに組み立てていく以上、実力的に至らない部分は普通にボロとしてそれらをやっていく中で実感されるはずです。

基本的に網羅系を終えたあとは難問解決入門の『やさしい(全然やさしくない)理系数学』『ハイレベル理系数学の完全攻略』などを勧めていますが、正直かなり難度が高いのでこれらに取り組む際は初めの段階で思うように問題が解けなくても心配せず続けてもらって構わないと思っています。ただ、解説を読んだりする中で「ああこんなのやったな」と思うことがあればちょっと意識してその部分を思い出す、ひいてはいっそ一度その分野だけ網羅系に戻って確認し直すのもありでしょう。

しかし、網羅系は俄然量が多いですし、基礎であるという以上はどうしても不安に思ってしまう方もいることでしょう。そうした方は上とは別のルートを通っていくことをお勧めします。利用する参考書としては

などが挙げられます。一番最後だけ( )がついていますが、正直この2つよりかは若干レベルが高いのでこの判断にしていますので、別に構わないよという方はこれらを選んでも大丈夫です(個人的には非推奨)。いずれの参考書も『ハイレベル理系数学の完全攻略』(以下、ハイ完)に比べて最初のレベルが低く設定されているので繋げやすさにはより上手に位置します。それでありながら問題のレベルが幅広いので、同じようなレベルまで到達することができることでしょう。

前半のまとめ

以上、ここまでが前半部分になります。
人にもよりますが、難関私立や地方国公立のレベル(学部による/共通)までであればこの辺りまで仕上げておくことである程度しっかり対応することができると思います。それでなくてもこれ以上に高いレベルを狙う方であってもここまでの段階はかなり時間を割いてしっかり鍛え上げていくことでその後の苦労が変わってくるはずです。最難関クラスであれば高校2年の冬、最難関私立や旧帝大クラスであれば高校2年終了から高校3年夏前までにここまで仕上がっていれば問題ないと思いますよ。
後半やここに出てきた参考書を紹介するページについても追ってすぐあげたいと思いますので、少々お待ちください!!

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