実際、文理のどちらが秀でているか

ryu.です。
先日のブログで、Twitterで物議を醸すこととなったツイートをもたらしたと書きましたが、今回はそれについての考察回です。
まずは該当ツイートを見ていきましょう。

純粋に学問の一分け方として比較した時に理系の方が文系より秀でてると思ってるのなかなかヤバいよ
リンク: https://twitter.com/ryu17_summer/status/1500097910679412739

弁明

Twitterなので碌に言葉を整えないままでしたが、私の主張としては

という点に収束されると考えてもらって良いです。

まず学問とはそれ自体の価値で判断した時に平等であるというのが私の信念であり、問題のツイートをそれをあえて不恰好に説いたものになります。そもそも文系理系という区分でこれを測るのも烏滸がましいですが、人文科学・社会科学・自然科学などの諸学問体系は全て等しく価値があり、それ相応の役割があるものでしょう。
それどころか、私たちの知識を足し合わせるだけではそこに貴賤を生じさせるにも無理が生じるとすら言えるでしょう。弱冠の私でこれを議論するには自らの志した分野ですら知識は果てしなく足りませんし、それはこの地球に住む全人類を考えても結果は変わらないでしょう。それ程私たちは「学問」について無知であり、諸々の学問体系の領域も広範かつ深遠であると言って良い筈です。頂いた意見にもありましたが、学問間に優劣を見出そうとするその「思索の過程」こそが愚かであると言うに相応しいでしょうか。
議論の場に流れ込むに至った、専門とする分野に誇りを持っているであろう皆さんにこそ今一度考えて頂きたいです。

議論を呼んだわけ

それはそうとして、この記事の本題であるバズりの理由の考察を始めましょう。要は議論を呼ぶに至る理由を考えるのです。

優劣意識

先に少し述べた通り、議論を呼んだ全ての理由はここに集約されていると見ました。優劣に白黒付ける証拠が欲しいと考えている者が如何に多いか。

まず大前提として私は当該ツイートを議論の渦を誘導する意図は全くありませんでした。その理由として、「学問の一分け方として」という客観的かつ明白な領域でしか話をしていないからです。

しかし、競争社会に生きる我々の避けられない性として、どうしても異なる二者が与えられるとその間で比較を試みてしまう。そして、実際我々がこうした比較を行う際には自然と自分達が比較できる次元まで引き下ろして考えてしまう筈です。今回のツイートではそうでもしないと議論する余地は無いのではないでしょうか。
具体的にはいわゆる「受験科目としての文系/理系科目」や「大学での文系/理系学生」という土壌で比較をする人がかなりの数を占めていたように思います。

ここまで土壌を変えて仕舞えば、個人的な経験や思い入れが介入しやすくなりますから、優劣を説こうとする人間もそれに伴って爆発的に多くなる筈です。
それに誘導されて対立や意見の続投を呼ぶ。これだ。

時期の問題

また、このツイートはタイミングが悪かったようにも感じます。元のツイートを見て頂ければ分かると思いますが、これは国公立大学の前期試験合格発表の流れの前あるいはその最中でのツイートでした。
私もこれを経験した身なので承知ですが、受験生のストレスや不安感は計り知れないものです。そんな中に自らが今まで身近な立場で争ってきた話題の種を撒かれてはどうでしょう。煙の立つ土壌に火を付けては燃えるのも当然でしたね。
これに関しては申し訳ないなと思っております。

明るみになる「論理」の影

最後に、今回のバズの裏で気になったことを一つ。こうした意見も見られました。

これは当該のツイートが「いや文系の方が理系より上だろ」「文系の方が偉い方がよっぽどねえわ」という意見をもらっていたことに関する指摘です。無論、私としてもそのように読み替えられて解釈されたことに関しては心外なのですが、その一方でこうした明晰な方が指摘をなさっていたことに感服をしておりました。
こうした解釈をはじめ、「論理」というのは文理問わずアカデミアでは必ず必要になってくる素養です。こうした教養や素養は絶えず磨いていくことを心がけましょう。