質問箱 詳解 pt.2

質問箱

ryu.です。
質問箱で来たものに対して詳しく返していくコーナー第二弾ということで見ていきましょう。今回はよく聞かれる『基礎英文問題精講』の使い道、英語の音読の勉強法、そして受験勉強で要である復習と科目の戦略についてです。この記事に書いてある内容で不十分な可能性もありますがご承知ください(改めて疑問点を入れてくださると助かります)!

目次/CONTENTS
  1. 基礎英文問題精講のイロハ
  2. 英語の音読の効果
  3. Re;参考書
  4. 各科目の伸び率

1.基礎英文問題精講のイロハ

Question
基礎英文問題精講って解説とかもそんなに詳しくないですよね?
おすすめの理由を教えてください。簡単にレビューをお願いします。。
英語頑張りたいです!!(2021/03/05)

Answer
そうかな、確かに透視図とかと比べると解説が薄い感は有るけど、基礎の網羅性と演習量で言えばかなり良いと思う
あとは同等のレベルだとクラシック(だっけ)とかも良いって聞くけどな

第二弾最初は、英語の基礎を構築するための参考書である基礎英文問題精講について改めて紹介していこうと思います。最近内容と装丁がだいぶ新しくなったと話題の参考書ですが、基本的には気をつける点などは同じだと思ってもらって大丈夫です。

基礎英文問題精講は主に英文の構造を取る技術、つまり俗に言う「英文解釈」の練習をするための問題集になっていますが、それに乗じて高度な語彙力や文章理解力も共に養成することができるよう、①構文編②文脈編③応用問題編の3編構成になっています。
基本的にどの問題集とも同じように、最初に例題として設定されている文章で演習をし、その後に要点になっている構文の解説と語彙の補強、解釈の補助になる説明がなされており、最後に演習問題を解いて確認をして次に進むと言った感じになると思います。特に深いことを考えず凝ったことはしようと思わなくて大丈夫です。文章の使い方としては基本的にその文章を和訳して実際に書き起こしてみるなどでしょうか。
その代わり、解いた例題と問題のアフターケアはしっかりと行なってあげてください。要は復習のことなのですがね。分からなかった文章はどういうふうに読み解くべきだったのか、訳し方が解答と違った場合はどういったものが正解なのか解答そのものを疑って自分なりに考えてみるのもありかもしれません(後半については難しいが、これ以降でも考えられる場面は多い)。

ちなみに質問の回答で「英文解釈クラシック」という参考書をあげていますが、これは初学者向きというよりも英文解釈の基礎を身につけた人がそれを強化するために使うレベルだと思っておいた方が良いという情報をいただきましたので、この場で一緒に訂正させていただきます。なお、基礎英文問題精講については初学者向けですが、恐らくはある程度基礎的な英文法や英単語が備わっていることを確認してから取り組んだ方が良いと思います。とはいえかなり初歩的な段階で構わないと思いますが。

2.英語の音読の効果

Question
英語の音読の効果について賛否両論あるらしいのですが、ryu.さんの意見を聞かせてください。(2021/03/05)

Answer
俺は速読、リスニングに主に活きると思ってる
無価値ではないでしょうな

続いては英語の音読に関しての質問です。音読は学校の英語や国語の授業等で誰しも経験したことのあるものだと思いますが、実際に受験勉強の段階として役に立つのかは微妙に思っている人も多いのではないでしょうか。
私としては音読という勉強法自体は別に何ら間違っていないと思いますが、それをきちんと意味を伴って行っているかどうかによってだいぶ左右されるものではないのかと思いますね(もちろんそれを言ったらどの勉強法も同じことが言えますが…)。質問で答えた内容を詳しく説明し直すと、私が感じている音読の意味は「文章を読むのに合わせて意味を捉えられるように速読力を鍛えられること」と、「純粋な発音の仕組みに触れることでリスニング力の底上げになること」の2点にあります。

それぞれ順番に説明します。恐らくですが、文章を目で追っている時に頭の中で文章を読み上げながら進めていくと、「読むことに集中しすぎて頭に内容が入っていかない」状態になってしまうという経験をしたことがある人もいるのではないでしょうか。そこで正面からの対処法として、音読を通じて目で追いながら意味を捉えるようにする練習をするという意味で音読をやるのも十分ありだと思います。
加えて、よく言われていることでリスニングにおいて大事なのは「自分が発音できないものは聞き取れない」というものがあります。これに関しては自分もかなり同意であり、それを対策する上でも長文の復習の際に(あれば)聞き取りCDを利用して「自分の耳に直結した」生の語彙力を鍛える踏み台にしてみてください。
いずれにせよ最後に強調して言いたいのは、漫然と文章を口に出すような音読では個人的にはあまり意味がないと感じている、ということですね。

3.Re;参考書

Question
一度やり終えた参考書のやり直しはどのようなタイミングでやっていましたか?(2021/02/27)

Answer
一度やり切ったと判断したらその参考書には基本的に戻ってこないかな、戻るんだとしても進んだ問題集で流石にこれはまずいなって思った時くらい
参考書をやっている中でってことだったら、1回解いてみて不十分だったかもと思った時限定で翌日くらいには触れ直しておくかな、それを含めて全てやり切るのを一周と自分は考えて何周かするね

続いて、参考書の定着度合いや復習についてです。恐らく一度取り組んだ参考書でも、改めて見返してみたら自分がきちんと押さえることができていなかった部分も出てくると思いますし、自分はそういう意味で「参考書を100%ないし完璧に仕上げることは不可能」だと考えています。そこで、考えるべきは周回数、すなわちどのくらい繰り返すことで定着度を増していき、そしてどこでケジメを付けて次に進むかの均衡を見定めることになってくるのではないでしょうか。
基本的に私が考えていたのは、「一度自分が納得いくくらいまで解けたらよしと見なし、これを周回する中で潰し征く」というスタンスです。各問題に対して自分が「確実性を持って解けた」「解けたけど微妙だった」「解けなかった(理由により細分化可能か)」と分けることができると思いますが、最初以外では当日中ないし数日以内に一度復習を挟んでおくといった感じです。
この復習の際に個人的に気をつけたいと思っているのは、ただ解法ないし答えを頭の中に放り込むだけでは不十分ということです。リンゴの皮を剥く技術を教わった後にジャガイモの皮を剥けと言われた際に、「リンゴじゃないから皮剥けないよぴえん」となるわけはないと思いますが、恐らく勉強ではこのやり方でこれと同じようなことをしてしまうと思うのです。これに付随して、「その解法や答えはどういう理屈に基づくものなのか」「これと似たやり方として他に活用できそうな場面はないか」「もっと抽象化して体系化できないか」などを余裕が出てきたら考えたり理詰めしたりしてみてください。それが解法暗記を越境する鍵になってくると思いますよ。
なお、開幕に答えておりますが、一度やり切ったと判断した参考書には基本的に戻ってくることはありませんでした。というのも、その参考書で得ることができなかったが要点として攻略すべきであったことに関しては、後々になって己の襤褸として顕現することになりますから、そこまで多くなければ意固地なまでにわざわざ完璧にしようなどとは思わなくていいと考えているのです。その基準に関してはかなり難しいとは思いますが、参考書の進め具合など不可逆的なものではないのですから、参考書の問題の正答率がどうこうというよりは、自分の脳内にある知識体系の質をあげることに焦点を置いて考えてみると良いでしょう。

4.各科目の伸び率

Question
なぜ英語は伸びにくいのですか?
また、数学の伸びと比べてどう思いますか?(2020/10/18)

Answer
新たに習得してすぐ実力に結びつく程度が他と比べて薄いから、ってのが俺が一番ある説だと思う
言語ってそういうもんだと俺は思うし

続いてはそれぞれの科目に応じての成長や伸び具合についてです。どの科目も同じように、かつどのタイミングにおいても確実に単調に実力が向上していくわけではありませんし、それはみなさんが勉強を重ねていく中で常々実感していることだと思います。伸びる時期についてはどの教科も大体は知識を新しく定着させた段階と、知識体系がより深みを増したときの2種類に大分されると考えて良いでしょう。つまり、単調というよりは「蹴り上げの違う階段」のようになると思いますね。もちろん、後者になるにつれて伸びを作ること自体が難しくなりますので、ここを突破するには相当の洞察力を鍛えていく必要があるでしょう。

閑話休題。本題の各科目における伸び具合の話ですが、これに関連して各科目での戦略等に関してはこちらのページも参考にしてみてください。
まず英語と国語についての伸び具合ですが、これはかなり小さいと思ってください。恐らくある程度できあがった状態からでは一年程度で劇的な伸びを見せるのは相当に困難だからです。というのも、読解に関してはこれまでに蓄えてきた素養や活字等の経験値がかなり重要な立ち位置を占めているのに加えて、読解力や論理性などは短期間で劇的に伸ばすことはかなり考えにくいです。読解力というものは独力での養成に頼り切ってしまうと独り善がりなり偏ったものになってしまいがちですし、それにさえ無自覚であることも往々にしてあるのではと考えています。しかし、この中でも暗記やパターン性の強い国語の古文・漢文や、英語の英作文などは短期間でも伸ばすことができると考えて良いでしょう。
そして数学と理科についてですが、ここについては比較的短期間で伸びを見ることができると考えられます。これらの科目ではパターンの網羅性や知識量の多さが解答までの到達可能性に直結しやすいという性質があり、これらが主な要因になってくるで。もちろん数学に関しては問題が典型的なパターンとして捉え切れない部分もあったり、単純比較で範囲が理科よりも多かったりと理科ほどは伸びを期待するのが難しいですが。

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