Episode 2 : 受験期の第三楽章猛練習
本題はやはりこっちですね。正直ピアノや音楽に若干精通した人でないとこの後の内容は楽しめないかもです。
この曲は計3つの楽章で構成されているのですが、そのうち3つ目がずば抜けて難しく高2〜高3にかけてかなり練習を積んだことを覚えています。
ここまでアップテンポながら細々と音符が存在する譜面を弾いてこなかったため、低速での譜読みから一苦労でした。
冒頭のアルペジオやTHE 古典派みたいな左手の伴奏、激しく強弱が入れ替わる和音スタッカートなど、曲の中核を成す要素ですら大変でした。正直この時点で実力不足感は否めませんでしたが、それでも挑戦してみたかった曲だったのです。
珍しく勉強より時間をかけて練習を行うという日もそれほど少なくはなく、結構本気で挑んでいたんだな〜と今では感心すらしてしまいます。
譜読みが出来て速度を上げられるようになってからは難所との戦いです。補足に別途書きますがマジで心を折られそうになった事もありました。
勉強と同じで苦手要素を埋めるには相当の労力を必要とします。なんなら曲の演奏は全体を通して一つのパッケージとして完成するため、得意部分と同程度に持っていく必要すらあり必要な労力はそれ以上かもしれません。
そうして1年近くの練習を積み、高校時代最後、というか人生最後のピアノ発表会では納得のいくレベルで弾きあげることはできたのでした。マジで大変だった。
でも結局
そんなわけで受験期から本格的にピアノをちゃんと再開しようと思い、大学始まってすぐは頑張っていたのですが、暫くして「革命」と「ため息」の難しさに心が折れ、俺センスねえな〜と思って徐々に弾かなくなってしまったのです。そうして私は久方ぶりに「夜想曲」を奏であげると、弾けずにいた「ため息」を吐いたのでした。
ーおしまいー
文中の作品解説
心安らぎたい時にはぜひ聴いてみてほしいです。
月光 = Sonate für Klavier Nr.14 “Sonata quasi una fantasia” Op.27-2/L.v.Beethoven
本記事で散々触れたので割愛。是非聴いてね。
当たり前だけどこんな素晴らしい演奏には足元どころか影も及んでいません。
革命 = Étude Op.10-12/F.Chopin
主旋律こそ有名なショパンのエチュードの一つだが、その本質は左手のための練習曲。
そうは言っても動き自体はアルペジオや音階を弾く時の例に漏れない。しかし、それが独立した指を以て粒立たせた伴奏になるかどうかは奏者の腕により如実に左右される。
言うまでもなく難曲の一つである(が、Etude Op.10の中ではおそらく真ん中くらいの難易度)。
夜想曲 = Nocturne Op.9-2/F. Chopin
旋律だけなら至る所で聞くほどの有名曲だが、定期的に訪れる難所を含めて朗らかに弾き切るにはそれなりの技倆を要する。
ピアノ経験者なら誰でも通る道だと思う。
ため息 = Trois études de concert “Un Sospiro” S.144-3/F. Liszt
忙しなく両手を動かしながら、惹かれるような美しい主旋律とその基盤ながら繊細に流れるアルペジオを弾き分けねばならない。流れるようなその雰囲気に心を打たれる人も少なくない筈。
大学入ってから挑戦して諦めた難曲。
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