進め方と注意点

では続いて、これらを勉強していくにあたってどういう勉強法を取ると良いのかを自分なりにまとめました。あくまで自分が実践してきたやり方に一存しているという点はご承知ください。また、道中で紹介している参考書については以前のページで紹介してある内容も参考にしてみてください(だいぶ昔に書いたページなのでレイアウトが粗末な部分もありますが…)。

初学・最初期

一番最初の段階で意識すべきはやはり、「基礎的な式や現象とその意味とを確実に理解していく」ということでしょう。それに加えて基本的な物理の問題特有の考え方や解き方を習得していく感じになります。

まず、現象そのものや式についての理解ですが、教科書を読み込むのでマジで十分です。基本的に他の教科と比べて完全の覚えなければいけない点が圧倒的に少ないので、一つ一つの理解を強固にしていくために問題演習と合わせて理解を深めていくと良いでしょう。なお、『物理のエッセンス』という参考書もありますが、個人的にあれはその理解を暗記に頼っている部分が多くてちょっと好きになれないですね…。前編の赤い方はまだ良かったのに。

そして、基礎的な知識をつけながら、基礎問題の演習を進めていきます。やはり、運動方程式や力そのものがわかっても、いざ実践となった段階ですんなり問題が解けるようにはなりません。数学の解法暗記のように典型的なパターンではこうするみたいな習得の仕方で最初は問題ないと思いますので、物理の問題の解き方や知っている知識の使い方を身につけていくことを意識しましょう。この段階では

セミナー物理基礎+物理

体系物理/紹介

良問の風(多少難しいか)

実戦 物理重要問題集(難しいかも)/紹介

などが個人的にオススメです。
問題を解く上で意識したい点についてはもう少し詳しく次の段で述べたいと思います。

問題演習・中期

続いて、ある程度物理の問題に慣れてきた段階ですが、ここに入る段階で前述のような基礎的な問題についてはあらかた不自由なく解けるくらいにはしておいて欲しいかなと思います。そういう意味で、最初期とは言いましたが、前段階ではかなり時間を割いておくことをお勧めします。

物理の問題に関しては解き方が体系的にこう!とまとめられるくらいにはある程度パターン化できるものです。しかし、やはり個々の現象をよく観察してこその解法選択や立式をしなければいけない関係で、かなり数学の暗記すべき解法の枠組みよりフリーに飛び交うものが多いです。やってみればわかると思いますが、どの力が作用しているのか正確に書き記したり、計算が簡素になるような立式をするのは意外にコツが要ります。

その上で大切なのは、今まで自分が使ってきた解法を自分なりに体系立てて整理し直したり、ある程度解法と別に物理的な大原則をインプットし直すといったことでしょう。こうした捉え直しを兼ねて、さらに進んだ問題集などで演習を積んでいくと良いでしょう。おすすめとしては

実戦 物理重要問題集(ここでも良い)/紹介

物理の解法フレーム/紹介
物理 入試の核心/紹介

名問の森/紹介

このあたりでしょうか。下二つに関してはかなり実践的な難易度になっているので、中堅国公立以上などのレベルの高い大学の問題を解こうと思っている人でなければ必要ないかとも思います。これを取り組もうと思っているけど実力にはちょっと不安が…、という人はもう少し確固にしてから挑戦してみると良いかもしれません。
この中でも、『物理の解法フレーム』については前述したような解法や物理的原則の整理などを全面に押し出しているような設計になっているので、イマイチやっていてピンと来ない人はぜひやってみると良いかと思います。

発展演習・難関大レベル到達へ

そして最後、ここについては本当に最難関大入試レベルで高得点を取りたい人くらいしかやらなくても良いと思っています。それを踏まえて見ていって下さい。

本当に難度の高い物理の問題については、いかにその題材を知っている知識を活かして切り崩して分析できるかに懸かっています。そのため、今まで以上に物理における定性的な本質について見直してみるのがまず先決でしょう。見知った問題でなくなった瞬間に何をすれば良いのか分からなくなる、みたいな人はこれを意識してみて下さい。また、以前に高校物理を微積の力を借りて議論する件について書いたページがありましたが、余裕のある人に関しては多少手をつけて見ても良いかと思います。実力も高まりますし、何より現象を分析する力がさらに高くなると思うので。

ここまでの高みにくると、より一層純度の高い物理的視野と知識が必要になってくるので、それらを洗練させるように最高難度の教材や過去問等を使って実力を完成させていって欲しいと思います。おすすめとしては、

物理 標準問題精講/紹介

難問題の系統とその解き方/紹介

新 物理入門/紹介
理論物理への道標

鉄緑会東大物理問題集 資料・問題篇

などでしょうか。正直3,4つ目に関しては難易度が高すぎるので、最難関を狙う人でも興味と時間の余裕がある人でなければ必要ないと思ってます。俺も持ってないし、大学範囲や微積での理解とかは大学範囲の参考書買えばいいし。

まとめ

おおよそ紹介しておきたいなと思ったのはこのくらいでしょうか。
まだまだ完全に要望に応えられているとは思えないので、質問や相談等あればぜひ質問箱やコメント、メールアドレスなどの方にどうぞよろしくお願いいたします。

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