ryu.です。
共通テストも終わり、私大の受験も早い人は結果が出始めている中ですが、各々最終的に自分の目指すところに向けて調整を進めている段階だと思います。今回は自分の唯一受けた慶應義塾大学の医学部を受験した際のことについて書いていこうと思います。そもそも今年はコロナの関係もあってアレですが、多くの人が私大受験で経験値を増やすことを考える中で自分はなぜ慶應だけしか受験をしなかったのかというと、①体調を整えるために色々とリスクを負おうとしたくなかった、②東大入試のための対策の方を優先したかったの二つが主な理由ですね。しかし自分の中では浪人という選択肢も怖かったので選択肢は増やしたく、慶医を受けるに至ったというわけです。
注:サムネイルの画像は総合医科学研究所のものです。実際に受験する日吉キャンパスの該当の棟とは違うのでご注意を。
前日入り
慶医を受ける前日、すでに学校は任意登校になっていた頃なので学校を休んで午後イチで日吉の方まで現地入りをしました。今年度に入ってからも友達と会うために何回か日吉の方まで行きましたが、やはり当時の日吉駅前と慶應大日吉キャンパスまでの道程には独特の雰囲気がありましたね…。まず現地に行って一発目にひとまず現地までの道のりや会場の場所を確認しに行き、そして必要なものを買って予約してあったホテルに向かいました。ちなみにリッチモンドホテルプレミア武蔵小杉ってところです、名前は今さっき調べました。
その後はひたすら明日の試験に向けての調整を行うわけですが、自分自身そこまでに慶医の問題にあまり触れてこなかったのでこの日にかなりの年数の問題をホテルで解いた記憶があります。勿論それまでに大体このくらいの点数を取ろうなどの意識はありましたが。そこまでに解いていたのは数学と化学が三年分、そして英語はともかく物理は一年分も解いたかなといった感じだったと思います。そんなわけで、この日は数学や物理を中心に約7時間くらいはホテルの机に向かっていました。ここまで舐め腐った感じで試験にいくのは、皆さんは流石にやめておきましょうね。
恐らく人によっては滑り止めでどこか過去問対策等を殆どせずに受ける場合もあるとは思いますが、最低限何かしらはやっておいた方がいいです。さもないと模試で点数取れるけど定期テストでは無対策で点数取れないよくあるパターンがそこで出てしまうことにもなりかねないので。
そうして最終的に目標点をこのような感じで確定して(順に数学英語物理化学)、明日に備えて日付を回るくらいに就寝しました。でも今思うと全然目標点低いですね、これで2次までいける点数だろうと思ってた当時の自分がいかに情弱だったかがわかります。
あと当時の自分は慶應の前日になっても呑気に質問箱に答えまくってたの意味わかんないですね…。もう一年間もやってるのかあれ…。
当日
さて中途半端に4時台に目が覚めていよいよ本番の朝。正直なところ、自分はこういう大事な日の就寝って大体質が最悪なんですよね。後の東大入試の日も4時くらいまで寝れなかったり、逆にそれなのに6時台後半には余裕で目が覚めたりと。確か当日の朝は鉄壁の確認とダイオードのあたりを復習していたはずです。
朝食を済ませて、学校の制服に身を包んで、歯が震えるほど非常に寒い中いざ出陣です。会場の様子ですが、開くまでに結構団体の受験生が集まって話をしていたり各予備校の応援がキャンパス前の駅のところに集まっていたりとそこそこ賑わっていましたね。そんな中一人寂しくなので会場が開くまでの待ち時間は結構辛かったですが…。
理科(物理/化学)
知り合いの無さで心細い中、いよいよ試験開始。防衛医科大の時にも思いましたが、解答用紙がえぐいデカい上に慶医の問題はドストレートな題材が出にくいので正直とっつきにくい問題が出るかもなあといった印象ではじめました。
さて肝心の体感についてですが、化学に関しては正直思ったよりも素直な問題が出て助かりましたが、物理の方は当時の自分にとってはちょっと人体の電位測定然り原子分野然りとやりづらい題材が多く、きちんと固まっていないゼリーみたいな強度(固まってはいるけど…みたいな。)の知識だったのもあって結構しんどかった印象があります。点数としては今考え直すと物理7割弱/化学8割といった感じです。目標点に思ったより届いていて、過去問もあんな感じだったっけと疑問に思ってしまった面はあります。
化学については第一問の超基礎的な問題をはじめ、その年度に話題になっていたためどこか出すだろうなと思っていたリチウムイオン電池の問題がまさか慶医で出題されたというのもあって、かなりスムーズに解いていきました。ただ、全体的に記述が結構書きにくくて苦戦した印象がありますが、第3問は完答に至れたりと納得のいく結果にはなったのではないでしょうか。
また、これは自分が受験生の頃に小耳に挟んだ程度の話なのですが、どうやら慶應医学部の化学の問題は有効数字の扱いやちょっとした計算ミスだけで完全に間違いとされるくらいミスに対して厳しいという話を聞いたことがありますので、それについても多少警戒しておいた方が良さそうです。現に自分はそうしてました。
しかし物理の方は解いている途中でも結構悲惨でした。科学史的な出題(アインシュタインとド・ブロイを答えさせる問題が出てたはず)や日吉キャンパスの交流コンセントについて聞く問題(関東と関西で振動数違うのとかをすっかり失念していた)、そもそもその用語をきちんと理解していなかったりと(原子分野もだが、それよりも確か第2、3宇宙速度を勘違いしていた方が恥ずかしい)、関係ないところで苦戦したために結構焦っていた記憶はあります。
そして過去問で何となくは分かっていたのですが、第二問以降では受験の問題からすればあまり馴染みのないような問題が多く、きちんと誘導に乗って問題を解き進められるかどうか、そして本質的に物理現象そのものを理解する力があるかどうかを聞いてきているように感じました。当時は嫌でしたが、今見たら結構問題の質はいいんですよねコレ。そのおかげもあり多少のコケこそありましたが7割程度は解答速報を確認する限り取れていたと思います。
そして試験の終わり際、解答用紙を回収される段になってちょっと気になってしまったのですが、自分の前に座っていた人が解答用紙の受験番号を書く欄を全部埋め切ってなかったんですよね。それに気づいた時は自分までかなり動揺してしまいました…。
…今度改めて慶医の物理解き直してみよ。
数学
そして理科の手応えを感じつつ昼ごはんを食べ、得意の数学に挑んでいきます。慶医の問題は出題傾向が毎年似通っており、小問集合と確率漸化式の大問は難易度が比較的簡単で、それ以外の数3範囲がメインの大問2つは難易度がアホという両極端なわかりやすい構成になっています。そして難易度の関係上、全部を解き切るのは困難であることはわかっていたので、傾向も合わせて解けるところを確実に解いて100点程度かっさらってくる戦法でした。そのはずだったのですが…。
試験が開始してまずは問題全体を俯瞰するのですが、例年決まって出ていた確率漸化式がなくなって確率と漸化式に2分割されていたのが1番衝撃でした。しかも大問4つで構成されている問題のうち半分ずつ簡単/難しいの割合だったのが、解いている中で第3問の難易度が落ちている印象を受けて「これは平均点上がるだろうから点数を取らないと!」と思ってしまったのが焦りの原因ですね。
そうして中盤、第3問の有名問題(というか有名な題材/気になる人はバーゼル問題をチェック)が手応えある感じで取れた一方で第2問の確率に相当苦戦を強いられてしまい最後までこの大問を制することができませんでした。さらに第4問では計算処理が煩雑だったのとここまでの想定外さから思うように処理が進まずにほとんど手もつけられていない状況に…。結局この状況のまま試験は終了し、足を盛大に掬われて出来としてはなんともいえない感じになってしまいました。得意な数学でそこまで点数を取れなかったのは精神的にも多少くるものがありましたね…。恐らく100点どころか90点くらいだと思います、不覚…!
後々今年度になってから慶医の第4問を解き直してみた(既に持ってきたファイル確認したら10/6とか書いてあって時間の早さを感じた…)のですが、思ったよりすんなり解けて悔しいです。やはり本番の状況だと自分の実力も変わってきますね…。
英語
そしてそんな数学の尾を引いているわけにもいかず、続く英語できっちりやるだけのことをしてこようと最後の科目に挑んでいきます。初めて大学の個別試験を受けたということもあってかなり精神的にも体力的にもしんどかったですが、そんな体に鞭を打って試験を受けました。目標点は想定通り120点前後。慶医の英語は慶應義塾大学の入試問題の英語の中では平易な方なので確実に取っておきたいです。
そして試験開始。問題構成は例年通りですし、「医師は機械と取って代わることができるか」という題材の自由英作文も書くことには結構書けそうで安心しました。そして特筆すべきは、当時試験が終わった時にはTwitter等で共有はしなかったのですが、一回読んだことのある文章が出たんですよね。確か東大模試の過去問か実際受けたやつかでお目にかかった記憶がありますが、恐らく第2問のトロッコ問題の文章です(もしかしたらわかる人いるかも?)。そんなことを思いつつ読解を進めていきます。
順番に解いていったのですが、第一問については設問が比較的平易なものが多く助かりました。和訳から英訳、そして説明もかっちりと決めることができて結構手応えはあった印象です。そして第二問。記号問題が多めでしたが最低限のラインは解くことができました。そして最後の第3問ですが、個人的にはこの文章だけ以上に読みにくかった印象があります。というか小見出しごとに文章が分割されているタイプだったので設問が解きにくかった印象、といった方が近いのかな。
とはいえ全部の大問で得点源にすることができたので、あとから解答を見返してみても恐らく115点は取れているはずです。というか今見たけど第3問の記号問題間違いすぎな。
試験終了
そして全ての試験が終わり、当時の体感的には360点程度取ることができた中で(恐らく実際の点数は330~340点程度と予想)、親の車でそのまま地元に帰りながら関係者に受験行ってきましたの報告と感触を伝達し、感触の悪かった数学を解き直したりしました。会場を出た直後に理科の解答速報を手渡されそうになったのも「もう解答速報出てるのか」と印象的でしたね(当時これを受け取った他の人から情報をもらって理科の自己採点をしていたはず)。
そのまま地元に到着して家に…は向かわず、夕飯は食べたので直で塾の英語の授業を受けにいき(20:25から23:00)、塾の先生や同じ授業を取っていた仲間(たぶん慶医を地元から受けに行ったの俺だけだと思う)とちょっと感触を共有しつつ本命の東大二次に向けて対策を進めるのでした。余談ですが、この時友達に聞いた話だと慶應医学部の問題冊子はよく見る再生紙色の冊子だったのですが、どうやら他学部の問題冊子は結構カラフルだったようで。
まとめ
最後にあと1週間ちょっとで今年の慶医1次が行われるので注意点だけ箇条書きでバババっと並べておきます。
- 一次通過に必要な点数は300点ちょい、二次試験まで安全に通過するなら360点程度を目指そう
- 物理は題材が特徴的なので基礎力中心に誘導に乗っていけば大丈夫、あとは用語などの基礎知識は幅広く押さえておこう
- 化学は計算を確実に、記述も一つ一つ丁寧に
- 数学は傾向がそこそこはっきりしているので戦略だてをしっかりして7割程度を狙おう(とはいえ柔軟に)
- 英語は高得点勝負、8割くらいを目指すべし
- トイレは東大二次よりは混まなかったが使う時間帯には要注意
- 忘れ物への注意や、解答用紙への受験番号記入は怠らず
- 落ち着いて平常心で!!!
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