ryu.です。
前回の防衛医科大体験記に引き続き、今回ではその記述式の方に焦点を当てつつ、自分は受けませんでしたが実際に受けた友達から聞いた防衛医科大/防衛大の面接について書いていきたいと思います。防衛医科大に話を戻しますが、基本的にはここを受ける方は択一式の方を優先して対策して行ったほうがいいかなと思います。形式も独特ですし、重要度も圧倒的にこちらの方が高いので。自分としても択一はある程度しっかり対策をし、記述式では数回問題を解いて確認をしつつも基本は地力で勝負するという感じでしたし。
それでは実際に記述式の問題についてまとめましたので、行ってみましょう。
記述式
怒涛の択一式を終え、いよいよ第二段階です。こちらはおそらく6割程度がボーダーだと考えていますが、実際のところは不明なので何とも言えません。ですが、これよりかなり高い点数を要求してくるとは考えにくいので、このくらいが妥当だと思いますよ。基本的に択一式より難しい問題が多いです。ただ、ここを受ける段階で全部の教科が仕上がっている現役生はあまりいないでしょうし、安心して受けて問題ないです。
全体的な難易度感としてはどの教科に関してもやや難といったところでしょうか。択一式と同じく幅広い分野の知識や知恵が必要とされるので。局所的であっても苦手はやはり作りたくありません。また、ここを受ける時期に有機化学(高分子含む)や電磁気、複素数あたりにそれなりに仕上がってない人は要注意です。比較的出やすい分野なので、足を掬われる可能性大です(注意:今年に関しては必ずしもそうと言い切れない可能性もあります/筆者はそこまで調べきれていませんが、おそらく範囲の調整はしない方針でしょう)。
英語
まずは英語。一つの文章しかなかった択一式とは打って変わって全部で7つ程度の大問が用意されており、各問題で小問は3つ程度です。各大問ごとに色のある出題がされ、先で述べた問題形式に加え、表題を自分で考える問題など特徴的な出題も多い印象です。
文章自体もそれぞれはっきりと色が異なり、読んでいて面白い学術的文章が出題のメインです。ちなみに私が受験した年はsex robotsについての文章が出て話題になった記憶があるので、気になった人は調べてみましょう。ただし注意点として、文章によって専門的、高度な単語が択一式以上に散見されることが挙げられます。一般的な難関大受験生よりは多くの単語を知っておくことが推奨されますね。
当然、その大問の多さも相まってかなりの処理スピードが必要です。英語が得意な人であればかなり点数を取れる可能性があるので、取れるところを確実に取っていきましょう。やや難とはいえここは稼ぎどころです。個人的には思ったよりも点数が取りやすかったですが、問題によって単語の難易度がバラツキがあり、形式の違いも相まって点数の取りやすさがかなり違うように感じました。
数学
数学については全体的に問題の難易度が高い上に分量がかなり多いです。大問1の小問集合ですらかなり一問一問が重たく感じました。私としては数学をどれだけ取ることができるかによって、その他の点数目標ややりやすさに大きく影響してくる気がします。といっても完全に全部できた、くらいでないとそこまでの差が出ないのかもしれませんが。
小問集合についてですが、網羅系問題集に出てくる難しめの例題クラスの難易度があります。基本的によくで得る解法を知っていれば何とかなるレベルの問題ですので、時間は割とかかるかもしれませんが、これについては仕上げるようにしておきましょう。続いて大問が2つずつ用意されており、一方は数学3、もう一方はそれ以外と言った感じです(以前までは大問が小問集合以外に3つだったので戻る可能性も少なからず警戒するべきか)。大問はいずれも最後まで解くことこそ困難ですが、途中までで必要なポイントがはっきりしているので、よりしっかりと基礎的な解法を習得できているかが需要になってきているように思いました。
昨年の問題では複素数の最後だけできませんでしたが、もう一方の三次関数の問題についてもなかなか処理量が多く骨のある問題だったように思います。解答用紙がかなり真っ黒に染まっていた思い出がかなり強く残っていますので、行ける人は処理力も合わせて鍛えておきましょう。
国語
続いては国語。こちらの方では現代文と古文が1問ずつ出題されます。基本的に古文の方が平易、というか解答が作りやすいことが多いのでそちらから解くことを推奨する。特徴的な出題として単語そのものの意味を書くように指示される問題が現古問わず数問出るので、ある程度頻出の単語については噛み砕いて説明できるようにしておくべきかと思います。基本的に、その言葉も中学生も意味が書けるほど簡単な単語ではないので、全部を適切に回答するにはしっかりとした教養が必要です。
古文は基本的に現代語訳や内容説明の問題が多いので比較的点数が取りやすいです。その分文章についてはやや読むのに苦労する可能性もあるので、基本的な読み方に逐一立ち返って着実に読み進めていくようにしましょう。
打って変わって現代文の方は基本的に選択式が大半で、それに説明問題がついてくるといった感じです。全体的に択一式と雰囲気は一緒です。ただ記述はそれなりの文字数を書かせるタイプの問題(東大でいうところの100~120字記述の形式)であり、きちんと文章を構成すれば点数に差をつけられると思われますので空欄にするというのは確実に避けたいところですね。
物理
続いては物理。難易度感としては(当時の私には)やや難でした。大問構成は熱力学×力学、電磁気、力学ですが熱力学が波動分野に置き換わることもあります。問題の特徴としては他大の物理の問題のように易→難と緩急のついた出題になっています。おそらくこの段階で(特に電磁気を)仕上げてきている人はそこまで多くないでしょうし、安心して解ける部分まで解いていきましょう。他の教科より点数が取れていないとして、6〜7割取れていれば正直お釣りが来ます。また、回答までの手順を記述させるタイプの形式なので、しっかりそれについても頭に入れておきましょう。
個人的な結果について書いておくと、大問1の熱力学に単振動の問題を絡めた問題が一番解きにくかった覚えがあります(というよりも当時は名問の森終わりかけくらいでそこまで対策が仕上がっていたわけではない)。また、電磁気の最後の方の微小変化を辿っていく形式に関してはそれまでにあまり出会ったことがないような問題だったので、これを機にこうした基礎的な部分の確認を考えるようになっていたと思います。力学に関しては全完だったと。
【!注意!】一応昨年話題になったので補足しておきますが、防衛医大の物理は解答に使用する文字の問題文中の列挙が(言い方は悪いが)不親切であることが多いです。そのため解答に確信が持てない場合があるかもしれませんが、それについては各自で適切に取捨選択をしてほしいかなと思います。
化学
最後に化学。物理よりは難易度が低かった覚えがありますが、正直あまり変わらないと思って良いかなと。大問構成は理論、無機、有機(私の年は高分子メイン)でした。出題の幅が非常に広いので、知識が中途半端な分野をなるべく無くしておくのが一番の対策かと思います。
個人的には無機化学が一番点数に直結しやすく、かつ差が開きやすいように感じるので要注意です。ピンポイントな題材を深く掘り下げていく感じなので、ある程度体系だった知識が必要かと思います。
また、理論化学では素早く計算処理することが求められたり、有機化学ではしっかりと読み込んで分析していくことが求められたりと、この辺りは他の大学の問題を解く上でも大切になってくることです。決して問題が全く解けないほど難しいというわけではないので、落ち着いて解ける部分を確実に得点していきましょう。先に物理の欄でも述べた通り、6割以上取れればお釣りが来るレベルだと思っていいです。
面接・小論文
そして、ここからは自分の友人で実際に二次試験まで受験した人に聞いた話をメインに開いていきたいと思います。
基本的には防衛医科大や防衛大は自衛隊の一員としてその後の将来を当てる人がほとんどでしょうし、一次試験よりはそれを意識した作りになっているようです。具体的に言えば、防衛医科大の方では医師ではなく医官として勤務するとはどういうことかわかっているのか、また防衛大では自衛隊の一員になるにあたってどれだけの意識があるのかを問うてくる問題が多いようです。
また、実際に受けた友人曰くこの面接として重要なポイントであるのが「一貫性を持った回答をすること」のようです。質問によっては自分の回答を掘り下げて説明を求めるように言われることも多く、その際にきちんと自分の回答について一貫した回答を出せるかどうかはかなり神経を配ったほうがいいように思います。もちろん質問の幅は広く面接官によってかなり違うことを聞いてくるようですが、中には雑談のみで終わるような人もいるようでそこまで面接は重視していない可能性もあります。しかし、防衛(医科)大のことや日本の防衛について、そして自衛隊員として働くことについて聞いてくる場合が多いので、ある程度の関心は持っておくことも大切だと思われます。
最後に、防衛医大や防衛大については事前に自衛官の人たちが面接の練習時間を用意してくれるので、本気の進学を考えている人は是非参加しておくことを推奨します。かなり丁寧に面接についてや過去どんなことが聞かれたかなどを教えてもらえるようですよ。
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